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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第42話 妖精の想いと絶剣の苦悩
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う言うが内心は落ち着いていなかった。自分と似たような境遇の女の子の恋愛話は、最近無意識にヨシュアを意識しだしたエステルに物凄く強い関心を与えていた。


「リートと初めて出会ったのはわたしが5歳の頃かな、わたしは物心ついたときから一人で生きていたんだけどある時お父さんに拾われてその時にリートを紹介されてわたしと彼は兄妹になったの。家族を知らなかったわたしは最初は上手く馴染めなかったけど皆優しくしてくれた」
「皆ってそのお父さん以外にも家族がいるの?」
「うん、お父さんは部下を沢山持っていて全員を家族だと思ってるの、だからわたしには沢山のお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる。その中でもリートはわたしと年が近かったから一番身近な存在になったの」


 ティータの質問にフィーはある程度ごまかして答えた。


「初めはお兄ちゃんとして慕っていたんだけど一緒に過ごしているうちに段々と意識しだして好きになっていったの」
「そうだったんだ。じゃあリートさんとは恋人なの?」
「残念ながらまだそうなってない。リートはわたしを妹としてしか見てないから中々振り向いてくれないの」
「フィルちゃんなら絶対にリートさんを振り向かせられるよ!私、応援してるね!」
「ん、サンクス」
「……ねえ、フィル。ちょっといいかしら?」

 年が近いこともあってかすっかり仲良くなったフィーとティータは恋愛話に花を咲かせていたがそこにエステルが入り込みフィーに質問をしてきた。


「ん、どうしたのエステル?」
「その……フィルは抵抗とかないの?ずっと家族として傍にいた男の子を異性として見るのって……」
「……初めはちょっと戸惑ったけど自分の気持ちを理解してからは何とも思わなくなった」
「自分の気持ち……?」
「うん、初めは一緒にいたい存在だった。でもいつからか共に歩んでいきたい、支えてあげたいって思う人になっていったの」
「共に歩んでいきたい……か」


 フィーの言葉を聞いてエステルは何か考え込むように目を細めて顔を鼻の下あたりまで湯に沈めた。さっきは咄嗟にごまかしたがもしかしたら自分はヨシュアに対してそういう感情を持っているんじゃないかと思い始めたのだ。


(あたしはヨシュアの事をどう想ってるのかな?よく考えたらヨシュアはいっつもあたしの事を助けてくれたんだよね)


 思えばヨシュアは何時だってエステルの為に行動していた。自分が遊撃士として活動できているのはヨシュアのフォローが大きい、彼がいなかったら今みたいにうまくはいっていないはずだ。勿論エステルは成長しているし彼女の手柄になった依頼も多い、だがそれでも最初はヨシュアに助けられてばかりだった。
 学園祭の劇でクローゼとキスしたんじゃないかと思ったら嫌な気持ちになった。ダルモア市長
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