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NEIGHBOR EATER
EATING 26
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み、元の姿へ戻った。

「主様は普通の人間に戻りたいという考えはありますか?」

「いやぜんぜん。この体は楽でいいぞ。
一月は眠らずに済むし、物を食べる必要すらない」

翼の体は周囲からトリオンを集めれば休息や食事をする必要がない。

「よろしいのですか?ご自身の体に未練などは…」

「あると思うか?」

「失言でした」

「お前が『羽々斬』を捨てたのと同じだと思えばいいさ。
この体になったからこそ俺は生きてるんだから」

夜架は、翼の髪を触るのをやめ、後ろから翼に抱きついた。

「主様」

「なんだよさっきから。
今日のお前は酷く感傷的だな。
『羽々斬』を捨てたのはやっぱり無理があったんじゃないか?」

夜架は、翼の耳元で囁いた。

「もし、主様がヒトでなくなっても、私はこの身が朽ち果てるまで主様と共にいます。
もしも世界の全てが主様を排すると言うのなら、切姫の名の下に全てを切り捨てて御覧にいれましょう」

「それは…とても心強いな」

肩に乗った夜架の顔に手を伸ばし、頬に触れた。

「なぁ、夜架。お前はどうしてそこまで俺を慕ってくれるんだ?
俺はお前の思うような、神様みたいな人間じゃないぞ?」

夜架はクスリと笑った。

「そう言えば、主様には話していませんでしたね」

翼は他人に踏み込まない。

他人は、どこまで行っても他人なのだから。

「あの日、目の前でネイバーに父を殺されても私は何も感じませんでした。
でも父を殺したネイバーが光に貫かれ、その光を放った者を見たとき、私の中の何かが疼いたのです」

夜架は『死』に何も感じない。

生まれながらにして他者を害する事に戸惑いを抱かない歪な人間だった。

「私はその『何か』を確かめたくてボーダーに入ったのです。
そして初めて主様を見た時、私は主様に仕えたいと思ったのです」

夜架の奥底にあった物。

「私の全てを捧げたい。私の全てを支配して欲しいと、そう思ったのです」

それは従属欲。

その強さによって全てを退けてきた夜架は常に支配する側の人間だった。

実際に支配する事はなくとも常に上位者であり続けた。

そして、無意識の内に、自らを従えうる存在を、自らを守護してくれる存在を求めた。

「私は私を守ってくれる人を、探していたのかもしれません」

夜架の語った事は、翼の知り得ぬ事だった。

「そうか…」

「主様は、きっと私の事など認識していなかったでしょう。
ですが、私にとっては、あの瞬間こそが、始まりなのです」

話を聞いた翼は、笑いだした。

「はははは!そうか!あの時のやつか!
懐かしい!そうかそういう事だったか!」

ひとしきり笑っ
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