第5章:幽世と魔導師
第152話「劣勢と好機」
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・鬼神-真髄-”
「ら、ぁっ!!」
―――“戦技・迅駆-真髄-”
突如武器が槍に変わり、突きが放たれる。
刀で僅かに軌道をずらし、体を逸らして躱す。
直後に鬼神の如き力を宿し、斧で攻撃しようとしてくる。
それは、即座に放った二撃により、何とか阻止する。
「ッ―――!!」
「シッ!」
―――“弓技・閃矢-真髄-”
だが、それすらも読んでいたように守護者は弾かれた勢いのまま、斧から弓矢へと武器を変える。
「くっ……!」
弾かれた反動を利用した事で、超至近距離から矢が放たれる。
咄嗟に扇に神力を纏わせ、上空へと弾く。
「ふっ!」
―――“戦技・金剛撃-真髄-”
「(防げない!)」
そこで、懐に隙が出来る。
その隙を突くように、守護者は掌底を放ってくる。
防御は不可能と判断し、短距離転移で回避、後ろへと回り込む。
しかし、そこからの一撃は想定済みなのか、攻撃の勢いのまま守護者は前進。置き土産に“呪黒剣”を放って間合いを離してきた。
「(……創造した武器や盾は……後、半分程)」
超速の戦闘と言うだけで、周囲への被害はどんどん増していく。
それを防ぐため、創造したものを盾にしていた。
けど、それは長続きしない。補給をこまめにしているとはいえ、防ぎきれない。
「(何とか、ここから退かせないと……!)」
踏み込み、間合いを詰め、刀を振るう。
導王流の弐ノ型では、守護者を押し切る事は出来ない。
何せ、似たような性質の剣術を、彼女も使っているからだ。
そして、壱ノ型も完全に有効とは言えない。
おまけに、剣術、槍術、斧術、弓術、扇術において、彼女は私を上回る。
唯一体術のみが、こちらにアドバンテージがあるが……。
「ッ!」
バシィイッ!
刀の一閃を上体逸らしで避けられ、そのまま放たれた蹴りを片手で受け止める。
そこから徹る痺れのような痛み。
霊力が込められたその蹴りは、衝撃が防御を貫通するのだ。
それこそ、御神流の徹のように。
「(その上、神殺しの性質からダメージが大きい……)」
相性は最悪と言えるだろう。
今まで、私は相性が最悪な相手とは戦った事がない。
魔力や力など、そう言ったものが完全に上な相手とは幾度となく戦っている。
しかし、実力が上な相手とはいえ、相性が悪かった訳ではない。
戦い方次第ではやり合えるような相手ばかりだった。
……それが、裏目に出たのだろう。
「ッ……!」
刀の防御を抜けて、槍が頬を掠める。
……痛みが強く響く。
「っ、ぐぅっ……!」
咄嗟に槍を掴む。
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