暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第152話「劣勢と好機」
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
・鬼神-真髄-”

「ら、ぁっ!!」

   ―――“戦技・迅駆(じんく)-真髄-”

 突如武器が槍に変わり、突きが放たれる。
 刀で僅かに軌道をずらし、体を逸らして躱す。
 直後に鬼神の如き力を宿し、斧で攻撃しようとしてくる。
 それは、即座に放った二撃により、何とか阻止する。

「ッ―――!!」

「シッ!」

   ―――“弓技・閃矢-真髄-”

 だが、それすらも読んでいたように守護者は弾かれた勢いのまま、斧から弓矢へと武器を変える。

「くっ……!」

 弾かれた反動を利用した事で、超至近距離から矢が放たれる。
 咄嗟に扇に神力を纏わせ、上空へと弾く。

「ふっ!」

   ―――“戦技・金剛撃-真髄-”

「(防げない!)」

 そこで、懐に隙が出来る。
 その隙を突くように、守護者は掌底を放ってくる。
 防御は不可能と判断し、短距離転移で回避、後ろへと回り込む。
 しかし、そこからの一撃は想定済みなのか、攻撃の勢いのまま守護者は前進。置き土産に“呪黒剣”を放って間合いを離してきた。

「(……創造した武器や盾は……後、半分程)」

 超速の戦闘と言うだけで、周囲への被害はどんどん増していく。
 それを防ぐため、創造したものを盾にしていた。
 けど、それは長続きしない。補給をこまめにしているとはいえ、防ぎきれない。

「(何とか、ここから退かせないと……!)」

 踏み込み、間合いを詰め、刀を振るう。
 導王流の弐ノ型では、守護者を押し切る事は出来ない。
 何せ、似たような性質の剣術を、彼女も使っているからだ。
 そして、壱ノ型も完全に有効とは言えない。
 おまけに、剣術、槍術、斧術、弓術、扇術において、彼女は私を上回る。
 唯一体術のみが、こちらにアドバンテージがあるが……。

「ッ!」

     バシィイッ!

 刀の一閃を上体逸らしで避けられ、そのまま放たれた蹴りを片手で受け止める。
 そこから徹る痺れのような痛み。
 霊力が込められたその蹴りは、衝撃が防御を貫通するのだ。
 それこそ、御神流の徹のように。

「(その上、神殺しの性質からダメージが大きい……)」

 相性は最悪と言えるだろう。
 今まで、私は相性が最悪な相手とは戦った事がない。
 魔力や力など、そう言ったものが完全に上な相手とは幾度となく戦っている。
 しかし、実力が上な相手とはいえ、相性が悪かった訳ではない。
 戦い方次第ではやり合えるような相手ばかりだった。
 ……それが、裏目に出たのだろう。

「ッ……!」

 刀の防御を抜けて、槍が頬を掠める。
 ……痛みが強く響く。

「っ、ぐぅっ……!」

 咄嗟に槍を掴む。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ