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SAO─戦士達の物語
MR編
百五十二話 竜使いの悩み事
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分の力の一部になってくれることを思い直し、この世界での相棒のステータスを見直すに至ったのだ。
此方も、調べてみるとこれまで行き当たりばったりで強化していたことを反省するような情報がごまんとあった。そもそもALOにおいて、テイムモンスターはケットシーが居ることもありメジャーな自己強化システムの一つであり、多くのテイマー達は、おおむねの最終的なテイムモンスターのステータスを定めて、その上で計画的にモンスターを強化していくのである。その辺り、シリカは非常に衝動的で、大分大雑把な方針だけで強化方針を決めてきた上に、そのペースは真剣とは言えなかった。
勿論、これまでALOで過ごした時間が無駄であったとか、そういう話ではない。楽しむことを重視したこれまでのプレイに後悔はないし、ALOで過ごした時間はどれもこれも大事な思い出ばかりだ。ただ偶には、こういうゲームとして真剣にプレイできる部分にも本気になっても良いと思うのだ。と、言う訳で、シリカの装備&ピナ強化計画は幕を開けた……の、だが……

「うぅ〜。多いよぉ……」
「キュクゥ〜」
素材集め二日目、何とか防具の素材と資金集めは終わったのだが、此処からの武器の強化用素材とピナの強化素材の表を見て、休憩に立ち寄ったカフェで早くも心が折れそうになってしまっていたのである。
元々、素材集めというのは延々同じモンスターを狩り続ける作業なので、精神的にも少しばかり辛いところがある、加えて今回、特にピナの強化素材に、かなりの量の素材が必要なのが痛かった。実を言うとテイムモンスターの強化というのは、ある一定の領域を超えると、半ばやりこみ要素ともいうべきもので、いくらなんでも過剰ではないかと言いたくなるような量のリソースを要求されるようになる。ピナの強化も、丁度そんな領域に突入しつつあったのだ。
突っ伏す主人を、何も知らない無垢な瞳で覗き込んでくる相棒のフワフワドラゴンを、シリカは口を尖らせながらツンツンとつつく。

「もう、そんな顔して……ピナ、もっと食べる量を減らしてよ、そもそも、こんなに食べたらプクプクになって飛べなくなっちゃうんじゃないの?」
「キュルルゥ〜〜」
シリカの言葉の意味を理解しているのかしていないのか、ピナは甘えるような声を出してシリカの指に擦りついてくる。その様子に少しばかり元気を貰えたような気がして、微笑みながら彼女は相棒の身体を撫でた。と……

「ほわぁ……可愛いねぇ……」
「ひゃっ!?」
突然すぐ近くからした声に、奇妙な声を上げて顔を上げる。と、目の前に一人の風妖精(シルフ)が立っているのに気が付いた。

「あ、アイリさ、先輩!?」
「ヤッホー、シリカちゃんこんにちは。ごめんね、おどろかせちゃった?」
テーブルをはさんでウィンクするアイリに、シリカは慌てて手をパタパタと振る
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