暁 〜小説投稿サイト〜
オズのトト
第十幕その三

[8]前話 [2]次話
「沢山いるわね」
「そうだね、鹿だけじゃなくてね」
「狐に狸、栗鼠もいて」
「クロテンもいて」
「本土に似ている様でまた違うわね」
「あと」
 恵梨香は今自分達の前にいるとても小さな鼠に似た哺乳類を見て言いました。
「この小さな鼠さんみたいな生きものは」
「ナキウサギだね」
「ナキウサギですか」
「あの生きものはね」
「北海道にいる生きものですか」
「本土だと青森辺りにもいるね」
 その辺りにというのです。
「そして北海道にもね」
「いてそれで、ですね」
「この山にもいるんだよ」
「そうなんですね」
「北海道は寒冷だね」
「はい、寒いです」
「だから寒い場所の生きものがいるんだ」
「そういえば」
 ここでナターシャが言いました。
「シベリア辺りの生きものがいるわ」
「あっ、シマリスとかクロテンは」
 ジョージはそうした生きものことをお話しました。
「そっちの生きものだね」
「中国でも北の方にいるよね」 
 神宝もそうした生きものについて言いました。
「アメリカでもそうだね」
「まああれだね」
 カルロスが言うことはといいますと。
「寒い場所同士ってことだね」
「そうね、日本だけれど寒い場所だから」
 恵梨香はナキウサギの近くに来てじと見ながら言うのでした。
「クロテンやこうした生きものもいるのね」
「そうだね」
「それで、ですね」
 恵梨香は教授に応えながらこの生きものの名前を出しました。
「ヒグマも」
「北海道といえばかな」
「何といいましても」
 実際にと答える恵梨香でした。
「あの熊さんですね」
「そうみたいだね」
「あの狐は」
 今度は近くに狐を見て言いました。
「キタキツネで」
「熊はだね」
「ヒグマです、それで」
「それで?」
「本土の熊よりずっと大きいんですよね」
「ツキノワグマだね」
「あの熊は結構小さくて」
 動物園で見てこのことは知っているのです。
「ヒグマはとにかく大きいです」
「そしてそのヒグマも」
「この山にいますね」
「きっとね」
「そうなんですね」
「絶対に会えるよ」
 そのヒグマにもというのです。
「楽しみにしておいてね」
「わかりました」
 恵梨香はナキウサギやキタキツネを見つつ教授に応えました、そしてそうしたお話をしてです。
 山を回っていると実際にでした、黒に近いダークブラウンの毛のとても大きな熊が皆の前に出てきました。ボタンがその熊を見て言いました。
「うわ、大きいね」
「ええ、この熊がね」
「ヒグマなんだね」
「そうだと思うわ」
 恵梨香はすぐにボタンに答えました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ