第5章:幽世と魔導師
第145話「親の強さ」
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ゃうわね!」
思い浮かべるのは、自分たちの息子である優輝の事。
二人にとって、個人戦はもちろん、二体一でも優輝は敵わない相手なのだ。
以前に手合わせをした事があり、連携で少し驚かす事は出来たものの、その後は導王流によってほとんど傷を負わす事が出来ずに負けてしまっていた。
「だけど、だからこそ!」
「負けてられないのよねぇ!」
息子が頑張っているのに、自分たちは頑張らないとは何事か。
そんな面持ちで、二人は襲い来る妖を次々と倒していく。
息もつかせぬ連携だが、二人にとってはごく自然な事なようで、このように無駄口も叩いているのだ。
「……ふぅ…!」
「これで一段落かしら…」
しばらく戦っている内に、襲ってくる妖が途切れる。
一息つき、二人は周囲を確認する。
「……どうやら、そのようだな」
「…と言っても、まだまだ出てくるみたいだけど…」
「やっぱり、“門”を見つけないとどうしようもないみたいだな」
既に“群れ”とは呼べない程までには減らしたものの、どこかからまだまだ出てくる。
一番人数が多く割かれている地域だが、霊術を扱える存在は誰もいない。
よって、結界などで門を隔離しない限り、どうしようもないのだ。
「それに……聞こえるか?」
「……ええ。聞こえるわ」
周囲の戦闘の音の中に、ヘリの音が聞こえてくる。
「…警察や自衛隊も、本気で動き出したか」
「ちょっと対応が遅いと思うのは、気のせい?」
「いや、未知の状況に陥ったのだから、仕方ないと思うけどな…。納得できるかは別として」
複数のヘリが着陸し、そこから武装した人達が降りてくる。
一部は民間人の保護へ、一部は妖の警戒へ。
……そして、残りは光輝と優香を含めた管理局員へと警戒が向けられた。
「……まぁ、予想は出来てたな」
「そうね。現地人からすれば、こっちは宇宙人みたいなものだもの。……私達は元々地球の住民だけど」
警戒されても仕方ないと、二人は納得していた。
しかし、一部の局員は違うようで、一発触発の状況を醸し出していた。
「なぁ、あそこでやばそうな雰囲気出している奴、止めたいんだが」
「ダメだ。そこから動くな」
「(まぁ、動いちゃダメだよな。妖の方は……何とか拮抗しているか)」
警察なども総動員で動いているためか、民間人の避難は迅速に行われていた。
また、武装隊が何とか妖を食い止めているため、この場がすぐに混乱に陥る事はなかった。
「お前たちのリーダーは誰だ!」
「……この場のリーダーは俺だ」
「光輝!?」
武装隊の隊長であろう人物が声を上げる。
それに光輝が返事をし、優香が
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