第5章:幽世と魔導師
第145話「親の強さ」
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=out side=
「くっ…!」
ギィイン!
「はっ!」
妖の攻撃を、剣が防ぎ、すかさず横から弓矢の魔法で貫く。
優香と光輝。優輝の両親である二人が、九州の地で奔走していた。
「キリがないな…!」
「一人だと気を休める暇もないわね…」
二人以外にも、複数の管理局員がいる。
それぞれチーム分けをして、民間人の救助と妖の殲滅で役割分担をしていた。
「(防衛の戦力は、十分……)」
「(ここは妖の群れに突っ込んだ方がいい…か…)」
民間人を守るための戦力は充分だと二人は判断する。
そして、念話も使わずに二人は頷き合い、妖が最も多くいる場所へ駆け出した。
「優香!」
「ええ!」
光輝が名前を呼び、それに応えるように優香が特殊な魔力弾を放つ。
その魔力弾は上空へと飛んでいき、辺りを照らすように輝いた。
「はぁっ!」
「ギィイッ!?」
夜中と言う暗闇の中、いきなり現れた光源に妖達は一瞬怯む。
その隙を逃さずに光輝は切り込んだ。
「せぁっ!」
「ふっ…!」
敵陣に切り込んだ光輝は、そのまま一回転するように斬撃を飛ばす。
さらに上から優香が魔力弾で的確に貫く。
「……掛かってきな!」
「来なさい…!」
優香も地面に降り、二人は背中合わせになる。
そして、魔力を放出するように存在感を示し、挑発した。
そんな二人を囲うように、次々と妖が現れ、襲い掛かった。
「予想通り……ねっ!」
「ああ……!」
二人が挑発する際に行った魔力運用は、ミッド式でもベルカ式でもない。
二人が流れ着いた世界、プリエールで覚えた運用方法だった。
「(司ちゃんの…天巫女の魔法は霊術に近い……それはつまり、扱う魔力が霊力に近い状態にあるとも言える)」
「(その世界での魔力運用法も、もちろんその傾向がある。…そう予想していたけど、ここまで思い通りになるとは思わなかったわ…!)」
言うなれば、“プリエール式”。
そんな運用法を取った二人は、妖にとっては恰好の惹かれる相手となる。
それを利用して、二人は妖達を引き付けたのだ。
「ふっ!」
「はっ!」
互いにフォローし合うように、二人は襲い来る妖を斬り続ける。
光輝が防ぎ、優香が斬り、その隙を補うように光輝が次の妖を斬る。
攻守の役割がきっちり分けられており、度々それが入れ替わる。
さらにはフォローし合う瞬間に魔力弾をばら撒く事で、周囲に牽制もしていた。
「まったく!二人でこれだってのに、優輝の奴は!」
「ホント、親の尊厳がなくなっち
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