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エアツェルング・フォン・ザイン
そのご
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「じゃぁ、夕飯作るわ」

「もう日入(にちにゅう)よ?そろそろ支度しないといけないわ」
日入?
「申刻…外の世界でいう五時よ」
あ、そか、幻想郷は電気が無いから日の出日の入りを基本に動くんだよな…
あと時間は『刻』なのか…まぁ江戸後期に閉じられたなら納得できるな…
「わかりました、そろそろおいとまさせていただきます」
「何を言ってるの?今日は泊まって行きなさい」
「いえ、ご迷惑でしょうし」
「だったらあなたはさっき倒れたばかりの人間を追い出すのかしら?」
「………はい…泊まっていきます」
「よろしい」
それなら…
「夕飯の支度なら手伝いますよ?」
「結構よ…気持ちは嬉しいのだけれど家のキッチン狭いのよね…」
それじゃぁしょうがないな。
「わかりました、能力の確認とかしときます」
「半刻程で出来るわ」
半刻…一時間か…
「はい、わかりました」
「あとその敬語やめて。私の事も呼び捨てでいいわ」
「いや、それは…」
「やめて」
「はい…」
アリス強い…
その後アリスはキッチンへ、俺は一度外へ向かった。
「さて…化身(アバター)である程度の能力…か…」
もしも、UWアバター…星騎士になれるのなら…
いや、今はそんな事どうだっていい…
それよりも…
俺は一枚の紙をイメージする。
スペルカードではない。
やがて手に光が集り、複雑な紋様の描かれた紙が現れた。
よし…
「我が願いに応え顕現せよ、妖しき物の長たる者よ!」
その言葉と共に『契約の式札』が光輝き…
現れたのは巨大な銀の狐。
それも銀の尾を九本携えた…妖獣
「ご主人?」
あぁ…あぁ…あぁ!
「玉藻ぉぉぉぉぉ!」
俺は玉藻に抱き付いた。
「ご主人…なんか小さい?」
あぁ!モフモフだ!玉藻だぁ!
「うぁ…ぐすっ…よかったぁ…玉藻がいてよかったよぉ…」
もう…皆に会えないって…でも…玉藻がいてくれて…
「ご主人?ごーしゅーじーんー?」
玉藻の首に抱き付き頬擦りをする。
「たまもぉ…!」
「あ、ダメですねコレ」
その後四半刻(30分)ほど玉藻をモフモフした。
side out






「すぅ…すぅ…」
「ご主人?あ、寝てますねコレ」
全く…しょうがないなぁ…
そう思いながら首に抱き着いたご主人を尻尾で持ち上げ背に寝かせる。
私は使い魔、この身の全てはご主人の為に。
あれ?
ふと気付く。
「『私』が在る…」
今までの私は私であって私ではなかった。
今でこそ気付ける、否、今気付いた。
私の中にプログラムが無い。
その代わり、『私』が在る。
「どういう事でしょう?」
コレが『自我』なのでしょうか?
だとしたら何故?
何故私は自我を得たのでしょう?
無論今までのログはあります。
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