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エアツェルング・フォン・ザイン
そのご
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確かな記録、でも記憶じゃない。
さっき、ご主人に抱きつかれた『記憶』、それと今までのログは何かが違う。
私は自分がプログラムであると識っていた。
でもその実感はなかった。
けど今は違う。
自分がプログラム『だった』と自覚できる。
「よくわかりませんが…ご主人と居られるなら。私は幸せです」
所でさっきから気になっていたのですが…
「この家は何でしょうか?ご主人があたらしい家を買ったのでしょうか?」
そう考えているとその家のドアが開いた。
「あら?…………夕飯が出来たのだけれど…その子を起こしてくれないかしら?」
出てきたのは金髪の女性だった。
見たことがない女性、考えられるのは…
「あなたは…ご主人の新しい部下ですか?」
カオスブレイブズの新しいメンバーでしょうか?
それにしても何でこんな森の中にホームを?
そう言えばカトラスさんがいません。
「部下?いいえ、違うわ。彼が倒れて居たから家で世話したのよ」
成る程、そうでしたか。
全く、ゲームの中とは言えちゃんと休まないと…
倒れるのはコレで何度目ですか。
「わかりました…ご主人?起きてください」
起きません。
「ごーしゅーじーんー?」
コレでも起きない。全くもう…
「しょうがないですね…」
ご主人を尻尾で抱え…
「ていっ!」
放り投げる。
「背中痛ぁ!」
あ、起きた。
「ご主人。夕飯出来たってよ」
「う…あぁ、わかった…悪いなアリス」
アリス?
アリスさんはロングだったし口調も違います。
同名の別人でしょうか?
「玉藻、おいで」
ご主人に呼ばれました。
こういう時は小さくなって頭に乗るんでしたね。
「はーい」
ぽん!
と音がして私の体が縮みました。
そしてご主人の頭に乗ります。
「おっと…うん、玉藻だ」
はい、玉藻です。
私は何時までも何時までも、ご主人のお側にいます。
例えご主人が悠久の時を生きようとも…
それが私の『たった一つの望み』なのですから。

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