暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
蓮根で見通しの良い年に・2
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う話は聞いていた。

「……と言っても、普段は主戦力メンバーの方が仕事してねぇがな」

 1軍・2軍という区分けが出来ていたとしても、1軍と呼ばれている連中が2軍の連中を侮る事はしない。何しろ、自分達がいざ全力で戦う時に消費する燃料や弾薬等の資材は平素からコツコツ2軍メンバー達が集めている物だからだ。その辺りをちゃんと理解している為、むしろ1軍と呼ばれている面子は2軍メンバーを敬っている。勿論俺もその辺はちゃんと理解しており、給料等の部分で反映させているがその辺の話はまた別の機会に。

「それでもやっぱり、アナタを好いている娘達は1軍で活躍して錬度を上げて、ケッコンしたいと思っているもの。……私を含めて、ね?」

 そう言ってこちらをジッと見つめてくる如月の眼差しは真剣だ。

「そうは言ったって、如月の錬度は今97まで上がってるじゃねぇか。もうじきだろ?」

「残り2つと言っても、ここからが長いじゃない?」

 艦娘の錬度は上がれば上がるだけ必要な経験値が増加し、特にケッコン間近に必要な経験値は膨大だ。特に如月のように遠征に従事している艦娘にとっては長過ぎる道程かもしれん。

「それになぁ……俺も大将としての体面って奴があるからよぉ」

 過去にもそういう事例があったりするんだ、実際。駆逐艦とケッコンして街中でデートしてたら、不審者と間違われたりして危うく通報されかけたりな。ウチの連中のほとんどは外見はどうあれ、中身はほとんど成熟した女性だってのは解ってはいる……が、どうしても世間の反応って奴は駆逐艦や海防艦みたいな幼い見た目の艦娘が嫁艦の連中には冷たい。ロリコン扱いされるからな。俺より歳上のジジィ位の歳になれば、孫と祖父位に見えるから反応も弱くなるが、流石に俺の印象が悪くなるのは避けたい。

「まぁ、確かにアナタが悪く思われるのは私も嫌ね」

「だろ?別に駆逐艦の連中とのケッコンが嫌だ、って訳じゃねぇのさ」

 それに、ケッコンによる燃費の改善は必要不可欠だ。デカい鎮守府だけに、資源の総消費量はバカにならんからな。世知辛い話だ。





「……っと。出来たぞ」

 如月と生々しい会話を交わしている間に、スペアリブとレンコンのピリ辛煮込みが煮上がっていた。俺はそれを器に盛り付けて、如月に出してやる。如月はそれを受け取ると、スペアリブの骨の部分を持って小さくかじりついた。

「熱っ……かなり熱いわね」

「そりゃ出来立てだからな」

 ふぅふぅと息を吹き掛け、今度はさっきより大きくかぶりつく如月。手掴みでかぶりつくなんてはしたなく思えるが、骨付き肉はやっぱり手掴みが一番美味く感じるよな。よく煮込まれたスペアリブは、骨離れもよくて柔らかい。

「んっ……お肉とお醤油がよくあってるわ
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