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とある3年4組の卑怯者
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 笹山は家に着いた。そしてごみ箱に捨てた藤木から貰った消しゴムと遊園地へ行った記念に買ったストラップを拾った。
(藤木君、私やっぱり藤木君がいないと寂しい・・・。どうか忘れようとしないで・・・)

 学校では藤木の無視は続いた。藤木は相変わらず孤独感を感じた。しかし、彼の元に二人の男子が呼び掛けた。
「おい、藤木!いつまでくよくよしてんだよ!」
 大野と杉山だった。
「え?」
「不幸の手紙のことでいつまでも引きずんなって!」
「大野君、杉山君・・・」
「お前、スケート得意だろ!ならお前の好きなスケートで吹き飛ばしちまえよ!」
「うん、そうだね、ありがとう!」
 大野と杉山はグラウンドでサッカーしに行った。
(よし、今日も大会に向けて思いっきり滑るぞ!)
 藤木は今の状態を打破するにはやはりスケートの大会で優勝して注目を集めなければならないと考えていた。ただ、その条件として和島の華麗な演技を越える技術を見せなければならない。藤木は何か評価が上がる技は何かないかと考えた。

 みどりは堀に呼び掛けられた。
「吉川さん、藤木君が出るスケート大会なんだけど、お父さんが車出してくれるって。だから交通費は心配ないわよ」
「いいんですか?ありがとうございます!」
 みどりは堀に感謝した。だが、みどりにとって堀は友人であると共に、恋敵と見ていた。みどりは藤木にこちらに思いを向けてもらうために、どうアピールするべきか考えていた。
(どうすれば堀さんに勝てるかな・・・?)

 藤木は体育の授業でグラウンドに行く途中だった。その時、丁度まる子の姉のクラスもその前は体育のようで、藤木はまる子の姉とすれ違った。
「あ、さくらのお姉さん・・・!」
「藤木君?」
「あ、あの・・・、さくらに本当に悪かったって伝えてくれますか?」
「ああ、不幸の手紙の事ね。分かったわ。でもこっちもまる子が大騒ぎして、怒っちゃってごめんね」
「いえ、いいんです、悪いのは僕ですから、それじゃ・・・」
 藤木はまる子の姉と別れ、グラウンドへ向かった。

 リリィはまる子、たまえ、とし子と共に下校していた。
「あのさ・・・」
 まる子が口を開いた。
「アタシさあ、もう藤木の事許してやってもいいんじゃないかと思うんだ」
「ええ!?」
 リリィは藤木の名前が出て大袈裟に反応した。
「本当にいいの!?」
「うん、アイツ反省してるみたいだし・・・」
「そうだよね。あれから暫く日がたってるもんね。いつまでも引きずってちゃ、藤木だってやってられないよね・・・」
 とし子もまる子の意見に同調した。リリィは以前吉川みどりという女子に会った時を思い出していた。
(藤木君とあの子、どこか似てる・・・。もしあの子が好きな男子に嫌われているならきっと悲しいだろう
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