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ラピス、母よりも強く愛して
11 テンカワ家爆破、アキト分岐ルート
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何不自由無く育つと、とても嫌なヒトになってしまうの、だからせめて一人だけは、元のままの貴方でいて」
 大勢のアキト達も、ここまでの記憶は共通になり、今後も少なくとも一人は、オリジナルと同じ人格になるらしい。
『1200秒前』

 空港
 その頃、見送りを済ませ、シャトルを見ていた三人。
「すご〜い、おっきいね、おにいちゃん」
「うん、すごいや」
(後、20分しか無いのよ)
 無邪気な二人を見ながら、カウントダウンを聞いているラピス。
「アキト、ユリカさんがいなくなって寂しい?」
 いつものように、決まった答えを強要する、縋るようなような目付きでは無く、本当に寂しそうな表情で問い掛ける。
「いいや、ラピスやアイちゃん、おばさんもいるから、さびしくないよ」
 まだ子供なのに、健気に嘘をつき、笑顔を作るアキト。
「そう」
 ここで「じゃあ、お父さんや、お母さんがいなくなっても寂しくない?」と聞きたかったが、余りにもタイミングを合わせた質問をすれば、アキトとて疑うに違いない。
(これで、本当にこれでいいの? これはアキトの願いとは違う、確かにアキトの両親を殺させたりはしない、でも離れ離れになれば同じ事、両親がいなくなった苦痛を繰り返す事になる、私にそんな権利は無い……)
 何度も他のラピスやオモイカネ達とも話し合って決めた事だが、例え一瞬でもアキトを苦しませる、それも自分が知っていながら見過ごすなど、許せない行為だった。
「もう帰りましょうか」
 CCを出し、人気のいない場所へ、二人を連れて行こうとするラピス。
「ええ〜、もうちょっとシャトルみる〜」

『ラピス29号がリンクから離脱、予定を変更しアキトを帰宅させる模様、CCを準備しテンカワ家をイメージ中』
「予定通り…… ね」
 既に思考を読まれ、計画の一部とされているのを知らないラピス29号。

「いい? 行くわよ」
「「うん」」
 いつに無く切迫した表情をしているラピス。他人が見れば無表情に見えたが、慣れれば飼い犬やヘビの表情でも分かる物なので、長年一緒にいるアキトには、ラピスの焦りがすぐに分かった。
「ジャンプ」
 テンカワ家の裏庭を目指してジャンプしたラピスだったが、3人は近所の丘の上にジャンプアウトした。
「あれ? いえじゃない?」
「どうしたの? 何かあった?」
「アキトの家は、もうブロックされてる、直接ジャンプはできなかった。叔父様と叔母様が危ない、急ぎましょう、アイちゃんはここに居てっ」
 2人は丘を駆け下り、家に向かおうとしたが、爆心地にアキトを連れて行くのはためらわれた。
「いやっ、わたしもいっしょにいくっ!」
「アキトッ! アキトもアイちゃんと一緒にここにいてっ!」
 少し考えれば、アキトとアイちゃんを残し、空港から一人
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