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ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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2章 生き様
10話 ある日のこと
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 第1層が攻略されてから、1年以上が過ぎた。あれから攻略組によって着々に層は攻略され、現在では最前線が49層になっている。それを早いとみるか、遅いとみるか。だが、第1層に1か月かけていたのが、いまではその半分ほどの時間で1層を攻略するペースであり、ずいぶんと早くなった。このままいけば、3年ほどで攻略できるだろうという希望が見えてきている。




 

 そんな状況の中で、49層の一画にある小さな村で攻略会議が開かれていた。
 
 そこには、かなりの大人数を収容できる洞窟がある。中央には木製の大きな机が置かれていた。

 そこには、多くのプレイヤーがその机を囲んでいた。49層フロアボス《ジオクロウラー》攻略会議である。爬虫類のカメレオンによく似た姿をしているフロアボスで、普通のボスのように部屋があるわけではないのため、その周辺を自由に動き回っているというのも、攻略を難しくしている一つだ。


 幅広い攻撃パターンに、攻撃力が高く、それなのにHPもかなり多いという、かなりの難易度のボスだ。誰も良い意見が出ずに、悶々と時間が過ぎていく。が、そんな会議の垂れこめた雰囲気を破ったのは、一人の女性が発した声だった。

「ボスを、村の中に誘い込みます!」

 その案にこの場の誰もが、驚きを示した。
 
 確かに、それは可能である。ボスが動くことができる範囲内に村や町があったときには、一時的に保護コードが解除され、普通に戦闘ができるようになる。

「ちょっと待ってくれ!」

 しかしこの発案をした血盟騎士団副団長、アスナが提示した作戦に、キリトが声を上げる。

「村の人達はどうなる! それだとボスの攻撃に巻き込まれるぞ!」

「それが狙いです。ボスがNPCを殺している間に私達で攻撃し、殲滅します」


「NPCはただのオブジェクトじゃない。彼らは――」
「生きている、とでも言いたいんですか? あれはオブジェクトです。常に決まった動作を繰り返し、消滅してもまた元に戻ります。姿は私達となんら変わりませんが、彼らに意思はありません」




 アスナはキリトの言葉を遮って、冷酷に言い放つ。アスナの言うことは、確かにある。彼らはプログラムされた物であり、フィールドにポップするモンスターと何ら変わりない。ただ、言葉を発したり、質問に答えたりできるなどの相違点を除いて。


「……それでもオレはその意見に賛同できない」

 キリトの静かだが、意思が強くこもった口調。だが、それでもアスナは一歩も引かなかった。

「今回の作戦は、血盟騎士団副団長アスナが指揮を執ることになっています。私の言うことには従ってもらいます」

 高圧的な言い方だ。確かに、今回の作戦はアスナの指揮のもと、行われることになっ
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