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国木田花丸と幼馴染
プールサイドにて
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きはいつも一人である。通い始めた当初は幼馴染のマルも一緒にどうだなんて言って誘っていたけど、体力がなく運動が苦手であるマルはやんわりと俺の誘いを断った。

 とんだ箱入り娘だなと思いながらも、マルがいなくて困るような俺ではない。この沼津グリーンプールに通う人の年齢層は多様であり、俺と歳が近い人も何人かいる。泳ぐときは真面目に泳いでいるが、休憩をとったときにはその人達と他愛のない会話をすることが多い。

 沼津グリーンプールへと入り、持参した競泳水着に着替えてプールサイドに出ると寒さがよりいっそう肌を突き刺してきた。屋内プールで暖房が効いているとはいえ、この時期に水着一枚で外気に触れるのはさすがに失敗だったか。どうせこのあとすぐ適温に調節されたプールで泳ぐのだとしても、上着のひとつでも羽織って出てくるべきだったと後悔する。

 だが後悔しても寒さが和らぐということは一切なく、ガクガクと膝から上半身まで寒さで身体を震わせるだけだった。まるで産まれたての子鹿のようだな、なんて月並みな形容を自分自身にしながらも、早くプールに入りたいので俺はその場で準備体操を始めた。

 グーっと身体を伸ばす屈伸運動をしながらプールの様子を見渡す。本当に子供からお年寄りまでがプールを利用し、和気あいあいとした雰囲気がそこにはあった。

 そんな風に周囲の様子を眺めていたからだろうか、俺は背後から近づいてくる人の気配に気がつかなかった。


 ――パシーン! と気持ちの良い音がドーム屋根に覆われたプールに反響するのと、俺の背中に猛烈な痛みがやって来たのは、全く同時だった。


「いっ……てぇーー!!」


 俺はその場で膝から崩れ落ち、しばらく動くことができなかった。そんな俺をからかうかのような溌剌とした声が、頭上から降り注がれる。


「おっはヨーソロー! 久しぶりだね陽輝(はるき)! 半年ぶりぐらいかな?」


 鼓膜にその声が届いたのは、確かにおよそ半年ぶりのことであった。本当なら顔を見て半年ぶりの再会に浸りたいところではあるのだが、背中の痛みがそうさせてくれない。


「お、おはヨーソローっす曜さん、お久しぶりです……。あの、いきなり背中を思い切り叩くのは、できれば今後しないでください……」


 かろうじて首を回して後ろを見ると、そこには競泳水着に身を包んだ少女が、ペロッと舌を出して悪戯な笑みを浮かべていた。


「いやーごめんごめん! 久しぶりに来たら見覚えある背中があったから、思わず舞い上がっちゃって! 痛かった?」

「めちゃくちゃ痛いっすよ! 思わずで不意打ちするのは勘弁してください!」

「……不意打ちじゃなかったらいいの?」

「曜さん鬼っすか……」


 俺が顔を引きつらせな
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