暁 〜小説投稿サイト〜
国木田花丸と幼馴染
プールサイドにて
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ら泳いでいると、必然的に考え事が多くなってくるものだ。

 今ここで思い出すのは、先ほど見た曜さんの飛び込み。受験で離れていた曜さんと半年ぶりに会って、会話をして、飛び込む姿を見た。

 飛び込み台から落下しながら技をこなし、最後には綺麗に入水する曜さん。その姿が俺の脳裏には鮮明に焼き付いていた。

 その光景を思い出していると、ふと疑問に思ったことがある。それは、高飛び込みという競技において飛び込み台から落下するという行為は欠かせないという、ごく単純なことだった。


 そう、落下。

 つまり「落ちる」ということ。


 曜さんは受験勉強に専念するために高飛び込みから一旦離れていたけれど、本当はこの落ちるという言葉を嫌って離れていたのではないだろうか。もちろんこれは俺の推測なので、実際そうとは限らない。

 まだ試験の結果が出ていないというのに、飛び込んでしまって曜さんは大丈夫なのだろうか。落ちるという言葉が受験生には禁句なのだと、漫画で読んだことがあるから心配だ。


 そんな俺の心配は杞憂だったようで、後日曜さんから浦の星女学院に合格したという話を、俺がプールを訪れる土曜日、その練習の合間に曜さんから直接聞くことになるのであった。
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