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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第95話 二尾
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「うん!」


ダメだった......
何がダメなんだ!?
なぜだ教えてくれ
筋肉に電気信号が流れてくれない
止まらない
これで4回目だ

実験は失敗を重ねた。
侵襲性の実験が彼の限られた命を更に荒削りする。
もはや最初から治療なんてしなければ彼の身体はより穏やかに自分の生涯と向き合えたかもしれない。
後悔した。
彼から貴重な時間を奪ってしまった。
巻き戻せるなら戻して欲しい。
「今日......も、ダメだったの」
「だ、大丈夫だ!我々は優秀な研究者だからね。必ず突破口を見つける」
「うん......」

1日の終わりに精一杯の強がりを言って明日に繋げる。
希望を絶やさないように心の闇に負けないように......
だが、彼の心にぽっかりと渦巻く闇がしだいに大きくなり悪魔の取引を彼は呪いながら承諾した。

『不老不死に興味はないかな?』
黒白の奇妙な体色をした特別研究者が彼に禁断の果実を差し出した。


「はぁ......がぁあああ」
『望みの不滅の肉体だよ。苦しくないとでも?』
「やめろぉ!彼に何をしたぁ!?」
『フハハハハハハー!マダラの遺伝子を組み込んだんだ。身体の奪い合いが始まったみたいだね』
マダラの遺伝子を打たれた彼の瞳がギラギラと輝きだして腕からチャクラの腕を燻り出すと研究者の足を掴んで力任せに引き千切った。
「ギャアアアアアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァー!!?」
夥しい血が大腿部から噴出し辺りにトクトクと広がっていく。
まるで彼の眼に張り付く悪魔の瞳のように仄暗く光っている。

『素晴らしいね!熱が覚めない内に柱間の遺伝子も打ち込んでおこうか』
『マダ反抗シテイルヨウダナ』
『みたいだね。邪魔だからどかしちゃおうか?資源は有効活用だね』

******

「......そ、それでどうなったんだ!?」
上条は背筋に寒気を感じながら胃が捻られるような痛みを感じながら問いただす。
「彼の肉体はマダラという奴の器にされる為に改造され、精神は在るものに封印された......急激に縮ませられてな」
研究者の男性はゆっくり疼くような痛みが走る脚を露出した。
現れたのは義足だ。木製の人形のような足関節固定型の義足と境目の脚に薄く残る筋が力の強大さを物語っている。

「記憶も封印されて奴らに利用されている。人に取り憑く亡霊のような存在だ」
「ま、待てよ.....それって」
「......ただひたすらに行き場のない想い『死の恐怖』を持ち続けて」
上条の脳裏にグルグルとした面の隙間から紅い光が漏れ出すようなイメージが流れて予感が確信に姿を変え始める。

「自分が何をしているか分からずに......トビと名を変えてな」
「!?」
研究者の男
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