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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
まぼろしの城 2
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 聚楽第。
 安土桃山時代に平安京の大内裏跡に豊臣秀吉が建てた政庁兼邸宅。当時の文献には単に聚楽。まれに聚楽城とも書かれている。
 ヨーロッパの城塞都市を参考に造られた城であり、周囲には堀の他にも防御用の外壁が張りめぐらされていたという。
 天守閣があり外壁は白。高さは四十五メートルで大阪城よりも高かったという。
 当時の技術で作れる白い漆喰は水に弱く脆かったため、城などの外壁に使用されることはなく、姫路城に代表される白い城は徳川家康の江戸城からと言われていたが、最近の研究では聚楽第がその嚆矢ではないかと言われているが、さだかではない。
 落成からわずか八年で破壊されたため資料の乏しい幻の城だからだ。
 その聚楽第の模型が、あと一つのパーツを組むことで完成する。

「あいかわらず精密な作りだなぁ、大宮通りや一条通り。庭園まで再現されてジオラマみたいだ」
「作ってる時は豊臣秀吉になった気分だったよ」
「そういうのって、あるよな。自分の中で物語とか作ってさ」
「そうそう! だからこのサイズに合う人形を置いて、物語を再現したいんだよね」
「人形かぁ、でも武士とか公家の人形なんて……。む、いっそ簡易式で作るか」
「え、でもこのサイズに合うまで小さく作るのって、難しいよ」
「それも修行のうちさ。趣味と実益をかねて、いい鍛錬になる」
「なるほどね。あ、それじゃあ、はめるよ」
「おお、やってくれ」
 
 最後のパーツを組み込むことで天守閣が完成。聚楽第が落成した。
 金色に輝く天守閣の金箔瓦、汚れ一つない真っ白な外壁、二階建ての御殿――。絢爛豪華な安土桃山時代の歴史の一ページがそこに再現されていた。

「……できた。ついに、完成したよ」
「ああ……、やったな。天馬」
「うん……、うん?」
「ん、どうした?」
「なにかの、見まちがいかな……、そこに人が。小さな人が動いてるみたいなんだけど……」
「なぬ!?」

 秋芳が目を凝らすと敷地内の庭園。そこに一人の老人が歩いているではないか。人形だとするなら精巧な、実に精巧な作りをしている。
 小さすぎて顔はよく見えないが、白髪頭に黒い着物姿だということは判別できる。

「…………」
「…………」

 老人は秋芳らを見上げると、ちょいちょいと手を振り出した。

「……ええと、秋芳君。これって、君がこっそり幻術か式神かなんか使って遊んでたりしてるの?」
「いいや、使っていない。科学的なホログラムってわけでもなさそうだし、この模型。呪具の類かもな」
「僕の見鬼じゃわからないけど、秋芳君は呪力を感じるたりするの?」
「いや、しない。だが、極めて巧妙な隠蔽が施された呪具なら俺でも感知はできない」
「そ、そんな凄い物があるんだ」

 ちょいちょい、ちょいちょい
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