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とある3年4組の卑怯者
46 歌留多(カルタ)
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iku,Maruko!」
「僕は穂波とか」
「頑張ろうね!」
「なんでアンタなんかとなのよ!気に食わないわ!」
「『アンタなんか』とは何だブー!」
「はあ〜・・・」
 藤木は溜め息をついた。
「藤木君、どうしたんだい?ため息ついて」
「別に何でもないさ・・・」
 藤木は山田と組む事になって、変に引っ掻き回されると思い、モチベーションを大きく下げてしまった。
「それじゃあeverbody、gameを始めよう」
 花輪は絵札をテーブルに無造作に置き、片手に読み札を持った。花輪が第一の札を読む。藤木は探そうとするが、先に取ったのははまじだった。次はまる子、その次はリリィが、藤木は一枚も取れず、山田はそれでも能天気に「アハハハ、みんなすごいね〜」などと言っていた。
 花輪が次の札を読む。藤木は目の前に絵札を見つけた。手を取ろうとするも、たまえにあと一歩で先を越された。
「アハハハハ、藤木君、おしかったね〜。もうちょっとで取れたのに〜」
 山田は藤木の悔しさを知らずに朗らかに言う。
(自分こそ笑ってないで一枚ぐらい取れよ・・・)
 藤木は山田への怒りを抑えていた。

 カルタは続く。リリィが3回連続で絵札を取ったところだった。
「やった!」
「なかなかやるじゃないか」
 永沢は無表情で褒めた。
(いいなあ、永沢君・・・。リリィとあんなに楽しくやってて・・・)
 藤木は永沢が羨ましかった。そして花輪が次の読み札を読むと、自分の目の前にその絵札があることに気付いた。
「よし!」
 藤木は勢いよくその札を取った。初めて自分で取った札だった(ちなみに山田は1枚も取れていない)。
「藤木君すごいじょ〜、オイラなんか1まいも取れてないじょ〜」
(真面目にやれよ・・・)
 藤木は山田に褒められても嬉しくなかった。

 全ての札が取り終わった。最も多かったのが、山根とたまえの組で14枚だった。次にリリィと永沢で11枚、まる子とマークで9枚、はまじとメイベルで7枚、みぎわとブー太郎で4枚、藤木と山田で2枚だった。結局藤木は最下位という惨憺たる結果で終わってしまった。
(ハハハ、ホント俺って運が悪いよな・・・)
 藤木は己の運の悪さを認めた。
「アハハハ、オイラたち負けちゃったじょ〜」
 山田は笑いながら言った。
「楽しかったよ、マーク」
「It was very excited,Maruko!」
 まる子とマークは互いに楽しんでいるようだった。
「リリィ、君結構凄かったよ・・・」
「ありがとう、私も楽しかったわ」
 リリィと永沢は満喫したようだった。
「穂波すごいね」
「山根も頑張ってたよ」
 山根とたまえはお互い褒めあっていた。
「フンッ!花輪クンかマークと一緒だったらよかったのに・・・!」

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