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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
「11」
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ウィザード・トーナメントのオープニングセレモニが終わり、今は夜。俺たち生徒はアヴァロンホテルの踊り場にて点呼を取らされていた。思ってたよりもずっと早く点呼が完了したため、俺たちはそれぞれ個室に戻るように指示された。


「なぁ誠。どうすりゃいいんだ?」

「何が?」

「夜は交代で先生たちが常にホテル内を見回ってるって話だ。このままだと学生旅行の鉄板ネタができなくなるかも知れない。」

「鉄板ネタ?」

「女子の部屋に行ったり、個室の仲間で盛大に枕投げしたりするんだよ。」

「なるほどな。よし、部屋に戻ったら作戦会議だ。」


俺たちは部屋に戻って女子部屋に行くための作戦会議を立てることにした。まず、この作戦は先生に見つかることを前提としている。夜間はずっと先生たちがホテル内を巡回してるんだから見つかるのは必然。どこかのメ○ルギアのス○ークなら可能かもしれないが常識的に考えて不可能だろう。


先生に発見されると必ず部屋から出ている用件を聞かれるからその時にトイレだと説明する。アヴァロンホテルは全個室にトイレが設置されてはいるが、1階に公衆トイレもちゃんとある。怪しまれないように、公衆トイレに立ち寄り、その帰りに別階の女子部屋に行く。


「やっぱり妙なところで頭が回るよな誠は。」

「うるさい茶化すなよ。バレたらどうなるか分かんねーから細心の注意を払えよな。」

「そんなもん言われなくても分かってるって。」


そんなこんなで作戦が始まった。
それから数時間が経過し、順番はいよいよ最後の俺になる。他の奴らは作戦が成功したからか、女子と一緒に写真を撮って帰ってくるという決定的な証拠を残した。もしバレた時にどうやって証拠を消すつもりなんだ。馬鹿なのか!?


個室のドアを開ける。時刻は深夜11時でほとんどの生徒は寝ていてもおかしくはないだろう。まぁ俺たちからすれば夜はこれからなんだけど、そんなことはどうでもいい。廊下を見るとちょうど巡回中の先生が曲がり角を曲がったところだった。


アヴァロンホテルは各階がサークル状に作られており、先生たちはそこをグルグルと巡回し続ける。他の階に移動する手段は階段とエレベーターの2つがあり、階段は常に先生が待機していると考えたので俺はエレベーターを目指した。


幸い、エレベーターは俺の個室の目と鼻を先にあったので先生が一周して戻ってくるまでにはエレベーターがこの階に到着する。


エレベーターが静かに到着して開くと、そこから現れたのは別の巡回中の先生だった。俺はその瞬間、あまりの衝撃から声が出なかった。叫びを通り越して声が出なかった。エレベーターから出た先生は俺を食い殺すような目で見ながらこう言った。


「..............
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