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太陽は、いつか―――
外伝・もっとも穢れ無き物語
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ごめんなさいね」
「いいんだ、これは俺が悪かったんだから」

対話をしているからか、他の英霊はこちらへ攻撃してこない。だとしても、ここからどうしろと言うのか。

「ねえ、カズヤ。よかったら、色々と話しを聞かせて?」
「話し、かぁ……あんまり面白みがないかもだけど、それでもいい?」
「ええ、構わないわ。貴方と共に過ごす時間は、何でもないものこそ幸せよ」
「そっか。じゃあ……」

恥ずかしいと思っていたのに、合わせる顔がないとすら思っていたのに、語っているうちにそんなことどうでもよくなった。

統括局ゲーティアへ報告。俺はゲーティアであることを放棄し、そのまま離脱させてもらう。戦う理由を失った。

マタ・ハリと共に、この宙域を離脱する。唐突に行ったからか周りの誰もが見逃し、そのまま離脱に成功する。
そのまま肉の柱であることも放棄して、ゲーティアを模した体となる。ゲーティアの2Pカラーと言ったところか。

「さて、まずはどこを目指そうか。どうせ話すなら、しっかり腰を据えて話したい」
「それもそうね。……じゃあ、どこかの時代を目指しましょうか。そこで聖杯を作りましょう?」
「今の俺なら作れると思うけど、どうして?」
「特異点を作るため、かしら?一緒に話したいからこうして離脱してしまったけど……貴方はもう、生きていてはいけない存在だもの」

言われてみればその通りだ。なら確かに、特異点を作ってカルデアの人々に滅ぼしてもらうのが一番だろう。

「どうせ特異点を作るなら、しっかりと試練を作りましょう。貴方が学んだこと、感じたこと、これから学んでいくこと。カルデアのマスターがまだ自覚できていない人間の汚さを、教えてあげましょうか」
「マルガって、そういう側面もあったんだね。苦しめる結果になるのに、それでいいの?」
「仕方のない、そして必要なことだもの。彼らはあまりにも綺麗すぎる。人類史が取り戻された今、穢いものを知らないのでは喰い潰されてしまうわ」

穢いもの、かぁ。だったらマタ・ハリの生前にちなんで、愛憎の汚い特異点となるのだろうか。

「さあ、行きましょう。地獄の果てまで付き合うわ、カズヤ」
「ありがとう、行こうか。地獄の果てを作り出そう、マルガ」

二匹の獣は、人類史を救った英雄に倒されるため、試練となる。
欲からなるのではない。執念からなるのではない。願望からなるのでもない。自身が死ぬべきであるのならそれを生かそうと、そんな意志から。

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