第01部「始動」
第04話
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…」
塞ぎ込むように黙ったままのラピスを見て、ラムダが声を掛けるがラピスは顔すら上げずに俺の手を握る。
「ちょっと…な」
『まさか……また自分を攻めて、ラピスに何か言ったんですかマスター?』
…知っていた訳じゃないな。知ってたなら、コイツはこういう風に茶化したりはしないだろう。
「…ラピスには普通の生活をしてもらいたいんだ」
『………マスター?マスターがラピスの為を思ってる事は理解しています。ですが、ラピスに取ってそれが普通じゃないと理解していますか?』
「………」
…散々言われた事だ。
『ラピスが望んでいるのはマスターとの生活です。リンクを使用した共感はラピスに変化をもたらせました。マスターはそれを壊すつもりですか?』
「…………ゎ…る」
『それに、マスターにはラピスが必要です…今まで通り三人で…』
「そんな事は!!」
そんな事は何度も考えた。何度も言われた。だが、それでも俺には…………くそ。
「…すまない。俺の為に言ってくれているのにな……」
『マスター…』
「ラピス。ラムダ。俺に何かして欲しい事はあるか?」
気まぐれで考えた訳じゃないが、復讐が一段落して二人には何が返さないといけないと考えていた。
もしかしたら、今日が最後になるかも知れない。出来ることならやってやりたくなった。
「……お風呂!」
「うっ!」
『私は…マスターにアクセスして欲しいです』
「なっ!」
くそ………だが、まぁ。
「………分かった」
「ホント?」
『マスター!?』
なんだ…その反応は?
今まで頑なに拒んできた事だけに、二人は驚きを隠さなかった。
「……やっぱりやめ…」
「駄目!」
『………分かった』
力強くラピスが手を引っ張り、ラムダは映像付きで俺の言葉を再生した。
…まさか、俺の行動全てを記録してる訳じゃあるまいな…
半ば本気で考えつつ、腕を引っ張るラピスの頭に手を置く。
「…はぁ」
ああ、今日は溜め息さえも疲れそうだ。
--
「疲れた…」
「???♪」
ほんの数十分だったが、ラピスを風呂に入れるのは本当に疲れた。
流石に一緒に入るのは抵抗があった為、ラピスを洗う事で許してもらった。以前も洗った事があるが、長い髪を洗うのは一苦労だ。
降り掛かる水が嫌いなラピスは、一人で入ってる時は髪は一度しか洗わないらしい。泡は気に入っているらしいが、やはり洗い流すのが嫌いらしい。
折角、綺麗な髪をしてるのに…そんな事を思ってたら指先で髪をいじってた。
「♪」
リンクを通してくる感情に頭を掻く。これから俺が何をしようとしてるかも知らずに………何を迷ってる。もう決めた事だ。いくら恨まれても、それまでに成長してくれる筈だ。
「…アキト、もうねる、の?」
「いや、ラム
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