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ウルトラマンカイナ
最終話 旅立ちと再起
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「見ろ! ウルトラマンが帰ってきたぞ!」
「ウルトラマン……今度こそ頼むぞ!」

 再び戦場に現れ、恐竜戦車と対峙するウルトラマンカイナ。そこから始まる激戦を予感し、BURKの隊員達は巻き込まれないよう距離を取る。
 その様子を一瞥したのち、カイナは改めて紅い拳を構えた。そして――恐竜戦車の銃砲が、火を噴く。

「シェァッ!」

 だが、今度は喰らわない。弓弦の記憶と人格を持った今のカイナは、身を翻して砲撃をかわし――背後に回り込む。
 そして、一気に恐竜戦車の延髄に、チョップの嵐を叩き込むのだった。

「……!? 弘原海隊長、あれは!」
「うむ……多少荒削りだが、あの手刀の太刀筋。あれはBURKの精鋭でしか、真には使いこなせないと言われる……BURK式軍隊格闘術だ」
「なぜウルトラマンがその技を……!? しかも、さっきまでとは身のこなしが全く違います……!」
「あぁ。まるで……風祭勇武の魂が、憑依しているかのようだ」

 その戦い振りに既視感を覚え、BURKの隊員達は瞠目する。
 恐竜戦車の砲撃の射線。尻尾の動き。それらを観察していた弓弦の洞察力と、父譲りの戦闘センスが、カイナにプラスアルファを齎したのである。

(し、信じられねぇ。これが、俺の動きなのか!? 突っ込むくらいしか能がなかった、この俺が、こんな……!)
(そうだ、カイナ。これが君の本当の力だ、強さだ! 君の力とオレの技を合わせれば……こんな奴になんか、絶対に負けない! 負けさせやしないッ!)
(ユズル……!)
(行こうカイナ! オレは……オレ達は、2人で1人の、ウルトラマンだッ!)

 後ろから馬乗りになり、チョップを連打するカイナ。そんな彼を背後から打ちのめそうと、恐竜戦車も尻尾を振るうが――その直前、反撃を察知したカイナは背中から飛び降りてしまった。
 結果、カイナを叩こうとした尻尾は、恐竜戦車自身の後頭部に命中してしまう。痛みに悶える恐竜戦車に追撃を浴びせるべく、カイナは側面から殴り掛かった。

 ――だが、痛みにのたうちがむしゃらに暴れる恐竜戦車の尻尾に、吹っ飛ばされてしまう。あまりに無軌道なせいで、今のカイナでも読み切れなかったのだ。

 そこに反撃のチャンスを見出した恐竜戦車は、一気にミサイルを連射してくる。その時カイナは――BURK隊員達の近くにいた。

「ダアァッ!」

 避けるだけなら容易い。だが、自分1人が逃げ出してはBURKの隊員達が、恐竜戦車の砲撃を浴びてしまう。
 カイナは意を決して、頭部のトサカ状の刃――「カイナスラッガー」を抜くと、それを逆手に構え、迫り来るミサイルを斬り落としていった。BURKの隊員達を避けるように、切り裂かれた弾頭の破片が散らばり、爆発していく。

「……ゥアァッ!」

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