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うぬぼれ竜士 ~地球防衛軍英雄譚~
第3話 超人になろうとした人間
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リュウジはただ苦笑いを浮かべるだけであり――言い返す気配もなく、ゴミを拾い続けている。

(「うぬぼれ銃士」……この人が……!? いえ、それよりも……!)

 そんな彼の姿にフィリダは一瞬だけ、自分が思い描いてしまった仮説を浮かべ――それを振り払うように、アーマンド達を睨み付ける。

「――あなた達、いい加減にしなさい! はるばる極東支部から来た仲間に向かって!」
「こういう腰抜けを、仲間に数えたくはねぇなぁ、俺は」
「どの口がッ……!」

 これ以上の暴言は、負い目があろうと我慢ならない。フィリダはアーマンドに掴みかかろうと一歩踏み出すが――彼の胸ぐらに伸ばそうとした手を、寸前のところで掴まれてしまった。
 彼らに罵声を浴びせられているはずの、リュウジ本人に。

「はは……どうも、すいません。返す言葉もありませんよ」
「アスカ隊員、あなた!」
「はっ、正直じゃねぇか。それとも、日本人お得意のケンソンってやつか? なんにせよ、足だけは引っ張って欲しくねえもんだな。――ただでさえ俺達は、疫病神を抱えてんだからよ」

 そう吐き捨てると、アーマンドはじろりとフィリダを一瞥する。そんな彼に向け、フィリダも険しい眼差しを向けた。
 謂れのある自分だけでなく、リュウジにまで罵声を浴びせるアーマンド達を見過ごせなくなっていたのだ。今までは疫病神と言われれば、その通りだと口を閉ざさざるを得なかったが――こればかりは、譲るわけにはいかない、と。

「……んだよ。文句あんのか」

 そんな先日とは違う彼女の反応に、アーマンド達も眉を顰める。――その時だった。

『緊急事態発生! ロンドン近郊に巨大生物を確認! 付近の隊員は現場に急行し、独自の判断で巨大生物と交戦せよ! 繰り返す! ロンドン近郊に――!』

 突如、町中に警報が響き渡り――EDF隊員である彼ら全員が、目の色を変えた。

「ち……あばよ疫病神に腰抜け!」

 アーマンドは仲間達を引き連れ、素早く踵を返して基地の方向へ走り出して行く。エアバイクSDL2を取りにいくのだろう。

「くっ……とにかく、私達も急がないと!」
「そうですね……。私はE551ギガンテスを取りに向かいます。エイリング隊員は現場に先行してください」
「あの戦車を? 現場に急ぐならSDL2の方が――」
「――ロンドン近郊は庭園が多く、遮蔽物が少ない。SDL2だけで集まっても、酸の集中砲火には耐えられません」
「……!」

 リュウジの言及に、フィリダは思わず目を剥いて言葉を失ってしまう。勤務初日であるにも拘わらず、ホームグラウンドではないこのロンドンの地理を正確に把握しているばかりか、アーマンド達がSDL2で現場に急行しようとしていることや、その行動に伴う危険性まで見抜いて
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