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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第3章 波乱の肝試し
第64話『奇妙な行事』
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るか」

「え、アンタ正気?! 絶対ロクな目に遭わないって!」

「ビビリはお留守番でもしてて構わないが?」

「私も行くわ」


ささやかな茶番の後、こうして魔術部一行は進路を変更し、人魂の元へと向かう。やはり道中は草木で阻まれているので、そこは魔術でどうにかこうにか。

しかし、ようやく近づいたかと思うと、人魂はゆっくりと晴登たちから離れるように動いた。


「チッ、追いかけるぞ! 見失うな!」


目的が変わってしまったが、終夜はお構い無し。器用に道無き道を駆け、人魂を追いかける。晴登たちはついて行くのでやっとだった。



追いかけっこを始めてどれだけ経っただろうか、ようやく人魂が停止する。


「よし、あと少しだ!」


そして、人魂の姿をくっきりと視認できる程の距離まで近づいた所で、晴登たちは走るのを止めた。
近くで見ると、蒼い炎というのはとても幻想的で、見ているだけで吸い込まれそうな気分になる。


『タスケテ──!』


そして、人魂が一際大きく言葉を放つと、眩い光が晴登たちを包み込み、意識を奪っていった。






意識を失ってから経った時間は、もはやわからない。晴登たちは、目覚めた場所に困惑する他無かった。

この音、この風、この匂い・・・間違いなく、眼前に拡がるのは"海"である。つまり晴登たちは、砂浜の上で眠っていたようだった。


「何で海に?!」

「あの人魂の仕業か…?」


驚いているのは晴登だけではない。二年生も三年生も、この非常事態に焦りの色を隠せていなかった。


初めての肝試しにて、予想不可能な緊急事態発生。そしてこの先に待ち受ける壮絶な試練を、この時の晴登は知る由もなかった。

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