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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第106話:大人の条件……それは自らの感情に左右されない対応が出来る者
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「謝りに行ったら、ウルフ殿も居合わせてた……って事ですか?」
彼の前で非を認めるのが嫌だったのかな?

「良いのよウルポンの事は! そんな事よりも、その場にお父さんも居た事が問題なの」
「それはそれは……一番最悪かもしれませんね?」
ポピー様からおしかりを受けたって事は、リュカ様は存じなかったって事で、それなのにワザワザ知られてしまう事態になったって事か。

「事態を把握したお父さんがね……私の足下に唾吐いて『最低な女だな』って言ったのぉ(涙)」
「これは厳しいですね……」
『娘』ではなく『女』と他人行儀な言い方をするとは……

私の焼いたパイで一時気分が回復したが、嫌な事を思い出してしまい再度暗い表情をするリュリュさん。
彼女は笑顔が可愛いから、常に笑っていて欲しい。
如何したら良いですかね……?

「如何ですかリュリュさん。もう少しで就業時間ですし、何処かに飲みに行きませんか? 愚痴るのなら酒の席が最適です。過去の偉人達も同じ事を繰り返してきましたからね」
「え〜……お酒に酔わせてエッチな事をする気ですかぁ?」

「リュリュさん酔わないじゃないですか。それに私は騎士です。面と向かって好きだと言ってる相手に対して、そんな愚かな事は致しません。リュカ家の人々と付き合うのに絶対的に必要な覚悟が私にはありますからね! ですから割り勘でお願いします。給料が大幅に減らされたので、店ごと飲み干すリュリュさんに奢る事は出来ませんから」

「そういう事なら了解であります。酒の席での愚痴を聞き干してください」
少し笑顔が戻ったリュリュさんは、可愛く敬礼をすると飲み会を了承する。
なので私は更なる提案で、今後の面倒事への配慮を見せる。

「近場の店だと、我々の事を知ってる連中が大勢居るでしょうから、何処か別の町の方が良いですよね。何処か良い店のある町をご存じですか?」
「う〜ん……良い店かぁ……」
顎に人差し指を当て、各地の酒場を考えるリュリュさんの姿は可愛い。

「あぁ、でしたらルラフェンの酒場が良いですよ! あの町の地酒は凄く美味しいんですよ。ルーラ使えば一っ飛びですしね」
「では決まりですね。仕事が残ってるのでしたら、片付けてきた方が良いですよ」

「ううん。もう明日にする。上司には帰るって伝えてくるわ」
そう言うとリュリュさんは勢いよく立ち上がる。
大きな胸が激しく揺れて壮観だ。

「ちょっとお待ちください。仕事をサボるのでしたら私のパイを殿下に持って行って媚びを売るのが良いでしょう。娘さんが喜ぶと言えば騙されますから」
私は慌てて残ってるパンプキンパイを包み、一旦戻ろうとするリュリュさんに手渡した。

「ありがとうラン君。これがあればティミー殿下も煩く言わないね?」
最近私の呼び方が
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