(現代語訳)竹取物語(口語訳)2
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行くのが難しいと思う。
幸運にも、何人か真剣に求婚してくださる方がいらっしゃるのだから、誰かを選んで結婚してみないか』
と爺さまはかぐや姫に提案してみたそうな。
かぐや姫は
「心配です。浮気されたりして、あとで後悔することになるのではないでしょうか。
深いところを知らないままで一緒になりたくはありません」
と言いはりました。
爺さま『その通りだ』と言い 続けて
『ちなみに、どういう方がよいのだろうか。五人とも熱心な愛情を持っているように私には見えるが』
それにかぐや姫の
「愛情の深さが問題なのではありません。そもそも愛の大きさをはかることはできないでしょう。
そこで提案なのですが、五人に”私が見たいもの”をお伝えし、それを持ってくることができた方と結婚するというのはどうでしょうか」
という提案に爺さまは大きく頷いた。
日が暮れて、いつものように五人は家の周りに集まった。笛を吹いたり、歌ったり、扇でリズムをとったりしていたそうな。
そこへ爺さまが現れてあいさつをした。
『わが家のような小汚くむさ苦しいところへ毎晩通っていただけること、たいへん恐縮でございます』
五人は耳をかたむけた。
『かぐや姫に"私の命はいつ尽きてもおかしくない。だからいらっしゃる方々からおひとりを選んで、結婚したらどうか”と言いました。
彼女は"どの方がよいか、私にはよくわかりません。たぶん私の見たいものを見せてくれるお人が、結婚すべき人だとは思いますが……”と答えました。
これはよい案だと私は思います。こうして決めたのならば、誰も恨みを持たないでしょうから』
五人も『それはよい案ですな』と言いいました、爺さまは続けた。
『では、かぐや姫の言葉を伝えます』
いったん家に戻り、そしてまた五人の前に現れると、一人一人にかぐや姫が出したお題を伝えたそうな。
『石作の皇子には"仏の御石の鉢”を探してきていただきます。
お釈迦さまが使ったといわれる黒い鉢です』
『車持の皇子には"蓬莱の玉の枝”を採ってきていただきましょう。
東の海を渡ったところに蓬莱という山があるようです。そこにはプラチナの根を持ち、幹が金でできた樹が生えていると聞きます。
その枝が白い玉の実をつけるらしいのです。それをひとつ折って持ってきてください』
『右大臣は中国にある"火鼠の皮衣”をお願いします。
火の中に生きているという鼠の皮で作った織り物ですね』
『大伴の大納言は"竜の首の珠”です。
竜の首に
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