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レーヴァティン
第十七話 学術都市その七

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「デルフォイは知識の集積に重点を置いていまして」
「ここは研究か」
「そうした場所です」
「だから学術都市か」
「そうなのです」
 まさにというのだ。
「多くの研究者が集まっています」
「それで人も集まってか」
「商人いてです」
「そっちの研究もしてるよな」
「はい」
 商業も研究対象の一つになっているというのだ。
「まさに」
「成程な」
「商業も然りです」
「学問になるしな」
「農業や林業のことも研究されています」
「産業全体か」
「その中心にあの大学があります」 
 順一は街の奥を指差した、見れば石造りの巨大な塔がある。見ればローマ数字の時計もある。
「ヨハネスブルグ大学が」
「で、あの大学でか」
「あらゆる学問の研究が行われているのです」
「成程な」
「しかしです、今我々が向かう先はです」 
 そのヨハネスブルグ大学ではなく、というのだ。
「お話した通りにです」
「家か」
「街の片隅の」 
 大学ではなく、というのだ。
「そちらです」
「だったよな、この街の片隅か」
「北東の端の方です」
「街のか」
「はい、尚私達は今は東門にいます」
「じゃあすぐだな」
「北東の隅までは」
「だよな、じゃあ行くか」
「案内させて頂きます」 
 順一はここでも自分から申し出てだった、そのうえで久志と順一を中世ドイツの趣の街の中を案内していった。その北東の方に入るとだ。
 久志は家々を見てだ、こう言った。
「この辺りはな」
「何かな」 
 智も言う、どうも家々が粗末な感じがして人々も身なりがよくない様に見えたのだ。
「柄が悪いっていうかな」
「荒んでるな」
「スラム街、いや違うな」
「ああ、治安が悪いか?」
「門のところと違ってな」
「微妙な感じになったな」 
 二人共こう感じていた。
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