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魔法少女リリカルなのはエトランゼ番外編1 FATAL FURY
3部 宿命の戦い
宿命の戦い
テリーVSジョー
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トだった。
瞬間、頭の下がったジョーに、遠心力を付けたバックスピンキックを放ち、
大きく弾き飛ばした。

「流石兄さんとジョーだ」
「テリーってここまで強かったんだね」

「パワァァウェイーブ!」

 本日二発目のパワーウェイブは手加減無しの全力で放たれた、バズーカのような波動だった。

「ジョー! お前とは、生まれた場所が違うんだよ!!
お前は表の世界でやっていればいいだろう」

 必殺の一撃をガードしたのだが熱と衝撃で赤くなっていた。
立ちあがるのがウソみたいな一撃を根性だけで立ちあがった。 
その様子が何かの冗談のようで、テリーは追撃が出来ないでいた。

 テリー自身これで終わりとでもいうぐらいの一撃を入れたはずなのに

「――確かになぁ。俺の生まれた国は世界一平和な国だ。
殺し、殺されかたき討ちなんてまず起きねえ平和な国だ
でもよ、テリー・・・ そんなの俺たちが戦うのに関係あると思うのか?
そんなのただの不純物だぜ
熱く魂が燃えるぐらいのファイトは生まれた場所では決まらないぜ」

 ふら付きながらも、しかし強い口調でジョーは言った。

「格闘家は俺もお前も、大馬鹿野郎ばかりだ。闘いの中でしか生きられねぇ。
復讐なんて不純なもの取っ払おうぜ 。思い切りケンカしようぜ!
馬鹿は馬鹿らしくよぉ!!」

 ジョーは拳で無理矢理足に息吹を与え、テリーへと駆け出した。

「ハリケェェェェンアッパァァァ――ッ!!」

 ジョーの代名詞でもあるハリケーンアッパー
丈の左の拳から風が巻き起こる。
パワーウェイブにも劣らない衝撃波が、地面を擦りながらテリーを吹き飛ばした。
気ではない、空気が生んだ竜巻は気功防御の中和には干渉されない。
服と皮膚にナイフで切られたような細かい傷を何個も作り、
テリーは呆然と中腰で、足をふらつかせながらも笑うジョーを見ていた。

 何で、闘ってる…… こんなに楽しそうに、ジョー……
俺はこんな風に10年間戦った事は無い
ギースを倒すために費やしてきたんだ
楽しさでやっているジョーや綾とは違うのに
なぜこんなに殴り合えるんだ・・・

殴り合っていた。
訳も解らず、このジョー・東という男と殴り合っていた。
滅茶苦茶な呼吸で、滅茶苦茶に拳を繰り出した。
戸惑いと、焦燥と、嫉妬が、テリーに防御を忘れさせた。

殴る。殴られる。殴る。
ただそれだけの、子供のケンカ。
だがそれが、何よりも熱かった。
フットワークすら忘れた、足を止めてのパンチの打ち合い。
ジョーに拳を打ち込む度に、少しずつ、少しずつ、繋がって行く。
それが不快で、どこか、浮いたように、気持ちが良くて、
テリーは夢中で、拳を打ち続けた。
その拳に、想いに応えるように
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