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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv34 宮廷魔導師ウォーレンの依頼
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だよ。そういうわけだから、遠慮せず持っておいてくれ」
「そ、そうだったんですか」
 中々に抜け目がない人のようだ。
 まさか既にこんな先手を打っていたとは……。
「それに通行証がないと、アウルガム湖から帰って来た時、アリシュナに入る事が出来ないからな。だから、急いで作ってもらったのさ」
「わかりました。では、ありがたく頂戴させて頂きます」
 俺は通行証を手に取ると、失くさないよう道具入れに仕舞った。
 と、そこで、ラティの羨む声が聞こえてくる。
「ええなぁ、コータロー。これで自由にアリシュナとラヴァナを行き来できるやんか」
「そういや、ドラキー便の配達員もいたのを忘れてたよ。もしなんなら、ここに出入りする時はコータローに連れて行ってもらったらどうだ?」
「連れて行ってもらうって、どういう事でっか? ワイ、通行証持ってへんから、一緒に付いて行ったところで、拘束されるのがオチやと思うけど」
「違う違う、そういう意味で言ったんじゃない。お前のように小さな体なら、袋か何かに忍び込めば、門を通り抜けられるってことだ。まぁコータローに運んでもらうのが前提の移動方法になるがな」
「おお、それはええ考えや。ほな、コータロー、ワイも物流組合に行って仕事を終わらせなアカンから、明日一緒にラヴァナに行こうな。ついでに街の中、案内したるわ」
「ああ、分かったよ」
 これはある意味好都合かもしれない。
 ラティと一緒にラヴァナへ行った際は、俺もついでにヴァロムさんの用事をすませてこよう。
 俺達の話がまとまったところで、ウォーレンさんは再度念を押してきた。
「じゃあそういうわけでだ、明後日はよろしく頼むぞ、コータロー」
「わかりました。俺に出来る範囲で頑張らせてもらいます」
「ああ、それでいい」
 続いて他の皆も、俺に励ましの言葉を掛けてきた。
「頑張ってください、コータローさん。私はここで貴方の帰りを待ってますわ」
「私も無事を祈って、コータローさんの帰りを待っています」
「コータローさんなら、何でもこなせそうな気がするわ。頑張ってね」
「うむ。私もシェーラと同意見だ。一緒に旅をしてきてわかったが、コータローさんは、物事を正しく見る目を持っている。貴方なら、色んな謎を解けそうな気がするから、頑張ってくれ」
「そこまで言われると俺も背中がかゆいですが、とりあえず行ってきますんで、暫く待っていてください」
 とまぁそんなわけで、俺は王都にやって来た初日から、予想外の展開に巻き込まれる事となったのであった。
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