第4章:日常と非日常
第118話「■■の尖兵・後」
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は、生半可な“差”ではないわ。例えるなら…そうね、物語の登場人物が作者に勝てと言っているようなものなのよ」
「それ、は……」
司と奏もわかったのだろう。絶望的な“差”を。
……だけど…。
「それで、優輝の策は何かしら?」
「それは……っ!」
単純且つ、途轍もなく難しい事だと説明する前に、土の壁が吹き飛ばされる。
「…先に、もう一度猶予を作り出してから説明する」
「…そうね」
「はははははははは!!」
実は、土の壁の中に何度も剣を創造して放っていたが、時間稼ぎもここまでか。
だけど、攻撃は効かなくても足止めはできるとこれでわかった。
「遅い!」
「っ……!」
笑いながら現れた奴は、即座に司に肉迫する。
今までの司なら、シュラインで防ぐので精一杯な速度だったが…。
ギィイン!
「ん……!?」
「今!」
霊術の特訓で戦闘技術が磨かれ、強くなった今なら、いなす事も容易い。
攻撃をいなした司は、即座にシュラインの柄で地面を打つ。
魔法陣が奴の足元に出現し、爆発を起こす。
「甘い!」
「奏!」
だが、その際の煙幕をものともせずに、今度は奏に肉迫する。
「そっちこそ、甘い……!」
「ほう…!」
「今だ!葵!」
「了解!」
だけど、奏も司と同じく、腕を上げている。
即座に反応して受け流し、そこから飛び退く。
そこへ僕と葵で剣やレイピアで包囲。先程と同じように土の壁で囲った。
「転移!」
すぐに僕は転移魔法で皆を転移……させたように偽装する。
態と声を上げ、魔力を持つ剣を創造して人数分それを転移させる。
僕らは近くの茂みに隠れ、気配を断つ。
結界から脱出できないのは確認済みなため、こちらの方がいい。
「……それで、策は?」
「単純且つ困難なものだ。これ以外は、僕も椿や葵と同じで思いつかない。……すなわち、僕らの…いや、一人でもいいから、存在の“格”を奴に通じるまで上げるしかない」
「……それはまた、無茶苦茶な…」
僕の言った案に、椿は溜め息と共に頭を抱える。
「確かに、理に適っているわ。…でも、それをどうやって?」
「……あっ、もしかして、神降し……?」
「ああ。…逆に言えば、それでも通じないと…」
「…打つ手なし…ね」
存在の“格”を上げる。…抽象的な言い方しかできないが、具体的な方法は僕や椿だって思いつかない。…何せ、“良く分かっていない”のだから。
だけど、少なくとも普通の人間よりも神の方が“格”は上だろう。
だから、僕らは神降しに賭ける事にした。
「(…でも、それで通じるのか?)
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