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レーヴァティン
第十一話 空の港町その二

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「そして東の島に行く」
「あっちで一旗挙げるのかい?」
「いや、より大きい」
「わかった、じゃああっちで言う大名になるか」
「そんなところだ」
 英雄は多くを語らずこう門番に述べた。
「大体な」
「そうか、じゃあ頑張ってな」
「大名みたいな奴になってくる」
「そうしなよ」
 門番は英雄に笑顔で言った、そしてだった。
 久志と共に門番に別れを告げて街に入った、そのうえで街を観ると。
「何か全然な」
「港町の感じがしないか」
「海や川の方のな、まあそんなのだと思ってたけれど」
「実際にだったな」
「潮や水の匂いがしないしな」
 港町独特の雰囲気、それがないというのだ。
「それにな」
「さらにだな」
「ああ、建物の感じもな」
「港町ではないな」
「イタリアとかスペインとかイギリスのな」
 そうした海に縁のある国のそうした街とはというのだ。
「違うな」
「それは確かにそうだな、これじゃあな」
「海や川の幸もだな」
「ないな、わかってたけれどな」
 空の船が行き来する港町だからだ、久志はあらためて言った。
「当然って言えば当然だな」
「そうなる、ではだ」
「港に行くか?今から」
「御前はそれでいいのか」
 英雄はすぐに港に行くかと自分に言った久志に目を向けて問うた。
「今から行って」
「ああ、別にな」
「いいのか」
「ここで十二人の誰かを探すかっていうんだな」
「そう聞くつもりだったがな」
「そんなの御前を送ってからでもいいからな」
「だからか」
「ああ、それよりも御前はすぐにでも行きたいよな」
 船に乗り東の島にというのだ。
「そうだよな」
「その通りだ、しかしだ」
「待ってもいいっていうのかよ」
「ここまで来れば確実に東の島に行ける」
 目的地、そこまでというのだ。
「だからだ」
「何時でもいいんだな」
「何なら街を巡って探すことに付き合うが」
「だから別にいいさ」
 笑ってだ、久志はまた英雄にこう言った。
「御前がすぐに行きたいならな」
「それならか」
「早く港に行こうぜ」
 海や川の港町ではなくフィレンツェに似た趣の街の中で英雄に言った。
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