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レーヴァティン
第十一話 空の港町その一

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                 第十一話  空の港町
 二人はサラミスの前で来た、するとこの街もだった。
「壁に囲まれてるな」
「城壁にな」
「このことは何処も同じだな」
「この島ではな」
「欧州だってことだな」
 久志は納得している声で言った。
「街を護る為の壁がある」
「城塞都市だ」
「こうした街ばかりってことだな」
「市民も守れるしいざという時はだ」
「市民が逃げないからだな」
「兵士や人夫にも使える、行政にも都合がいい」
 英雄は政治の話もした。
「区画しやすく囲いの中でまとまっているからな」
「だからだな」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「こうしてだ」
「城壁で囲んでるんだな、街を」
「そういうことだ」
「中国でもそうでな」
「大抵の国ではこうだ」
 城塞都市だというのだ。
「前も話したが日本が例外だ」
「ああした城下町の城はか」
「日本では小田原城があるが」 
 当時天下の堅城と言われていた、町全体まで堀と壁で覆っていて日本では数少ない城塞都市であったのだ。
「しかしだ」
「あくまで例外だよな」
「非常に少なかった」
「やっぱりそうだよな」
「だから俺達には馴染みがないが」
「他の国では普通か」
「街は壁で囲まれている」
 勿論堀にもだ。
「それが普通だ」
「城塞都市がだよな」
「そしてこのサラミスもだ」
「そうした普通の街か」
「そうなる」
「そういうことか、じゃあ中に入るか」
 久志は英雄の話を受けたうえであらためて言った。
「これからな」
「そうするとしよう」
「さて、どんな感じの街だろうな」
「空港とはいってもな」
「どんな街かは行って入ってみてからだしな」
「その目で確かめることが最もいい」
「じゃあ見るか」
 まさにその通りであるとだ、久志は英雄の言葉に笑顔で頷いてだった、そのうえで彼が一歩前に踏み出してだった。
 二人はサラミスの正門に足を踏み入れて門番の兵士に言った。
「今からいいかい?」
「ああ、船に乗るのかい?」
「俺は見送りでな」
「俺が乗る」
 英雄も門番の兵士に言った、見れば兵士はデルフォイの門番だったあの兵士と同じく鎧兜で武装して槍を持っている。ただし年齢はこの兵士の方が若い感じだ。
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