第2話 閻魔の裁量
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消役にすぎない!」
「ほぉ?」
「何だその意味ありげな反応は!?」
「いや、何。と言う事は、今まで通り戦闘意欲の解消役を継続させてくれれば、衛宮が誰かと付き合おうと干渉しないと言う事かな、武神?」
「っ、当然だ!」
彦一の言葉に一瞬つまる百代だが、直になんて事は無いと言う態度で返す。
その上で。
「まあ?アイツのような朴念仁を好きになるモノ好きが現れればの話だろ?」
何やらわざとらしく笑いながら答える百代だが、明らかに意地っ張りな態度だと言うのは一目瞭然だ。
だからその態度を崩す為に決定的な事を告げる。
「そうか。武神が衛宮を異性として見ていないと言うならば、件の女性も安心だろう」
「・・・・・・何の話だ?」
「如何やら武神には話が言っていない様だが、例の衛宮の家の一室に下宿する留学生に同行者の女性がいるのだが、その同行者の女性が衛宮を会った初日に押し倒そうとしたと、シーマから聞いたものでな」
「なっ・・・・ぉ・・」
「まあ、超一流の天然ジゴロだが年齢不相応な程の節士な衛宮だ。そう簡単に流される事は無いと言えど、もし関係が深まる事があったとしても、武神が衛宮を異性として見ていないのだから何の問題も無いのだろうな」
そんな事を態と言い残して百代の傍から立ち去る彦一だが、彼は確かに見た、聞いた。
百代が黒い笑みを浮かべながら、
「人の唇を奪っておいていいご身分だなぁ・・・!」
と言う言葉を。
それに対して彦一は省した。
但し自分の迂闊な言葉によって親友の修羅場フラグを打ち立てた事では無く、自分の力不足に。
(衛宮は天然ジゴロの女誑しだが、ラッキースケベ属性など持っていなかった筈なのに川神百代の唇を故意に奪ったと?今日までそれに気づけなかったとは、まだまだ修行不足だな)
結局親友への謝罪は、心の中ですらする事は無かった。
−Interlude−
本日、藤村組本部周辺は異様な空気に包まれていた。
まるでこれから武力闘争でも起きるのではないかという緊張感にだ。
その空気の中で藤村組本部前に、黒塗りの高級車が止まった。
中から出てきたのは、まずは九鬼従者部隊のヒュームとクラウディオ。
続いてミス・マープルと九鬼英雄、そして最後に九鬼帝の5人だった。
「まさかこんな形でここに戻って来るとはな」
「父上、何か?」
「いや、単に独り言だから気にすんな。それより英雄が今回の事に付きあう必要は無ぇんだぞ?」
「いえ、今回の問題の責任は我ら九鬼財閥トップ陣営全員にあると思います。ですから如何か、御伴させてください。父上」
息子・英雄の言葉に帝は、嬉しさと自身の至らぬ所を感じる。
「嬉し
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