第2話 閻魔の裁量
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送《・・》させて身に包む。
士郎の魔術は投影では無く、自宅地下にある剣や槍などの形をした魔術礼装の転送と説明している。
流石にそこまで手の内を明かすべきでは無いと言うのが、士郎と雷画とスカサハの3人の議論の末の結論なのだ。
そして当の九鬼陣営は、帝とヒュームは直感的に嘘だと理解し、マープルとクラウディオは知識から偽りだと見抜き、目の前で実演を見た上で改めて再認識した。
だがその事を理解しても、それ以上突っ込む事は無い。
無理矢理な情報開示要求などすれば、今回の件がまた蒸し返されると考えての事だからだ。
ちなみに、英雄には魔術的知識も乏しければ、観察眼も直感も前者2人に比べれば劣っているので、疑う事すらしていなかった。
とは言え、決して英雄が不甲斐無いのではなく、彼以外の4人が人外なだけである。
閑話休題。
「オイオイいいのかよ?それってお前の魔術師としての戦闘衣装なんだろ?九鬼極東本部前で姿晒して」
「ご心配には及びません。車から降りた後、直に公式非公式関係なくの全監視カメラの位置と角度の把握も完了させましたし、従者や社員の皆さんの視線の把握も終えています。と言うか、今立っているこの位置が今この時ばかりの唯一の死角です」
「フン。それに気づけるとは大した小僧だ」
「お褒めに与り光栄です。では皆さん、今夜はこれにて失礼させて頂きます」
挨拶した直後にその場から夜闇に消える士郎。
それを見送った帝が感想を聞く。
「如何だ?」
「申し分ありませんね。魔術使いが必要な時には士郎ボーイに頼むのが得策かと」
まずはマープルが。
「クラウディオは?」
「完璧かと。流石は藤村雷画殿のお気に入りと言えるでしょう」
「ふむ。ヒュームは?」
「魔術師としての事で言えば門外漢なので正式な評価は出来かねますが、どの様な戦闘をするのか興味が尽きませんので、許可さえ戴けるのなら是非とも戦闘したいものです」
「お前がそこまで言うなんてな。とは言う俺も気に入ったが――――ともあれこれで正式に始められそうだな?」
「はい。――――長年の夢と僅かな希望、武士道プランを表舞台に押し上げる時です」
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