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魔術師ルー&ヴィー
第一章
XU
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んな簡単に扱える筈が…」
「そう言えば、ウイツは造形魔術が苦手だったよな。ヴィーはこの手の魔術に相性が良かったようだけどよ、別に今どうこうって訳じゃねぇし、良いじゃんか。ヴィー、もう一つ何か造ってみろ。」
 ルーファスはウイツの言葉を遮ってそう言い、弟子に再び造形魔術を行使するよう促すや、ヴィルベルトは「はい。」と答えてルーファスとウイツの前で呪文を唱え、土から人形を造り出したのであった。
 造形魔術は四元素魔術を応用した魔術で、それらを組み合わせることで自分の意識下にあるものを形造る魔術である。これこそ精神を集中させて行わねばならず、苦手とする魔術も多い。
 一般に修復や復元の魔術と混同されがちだが、これはそれらとは全く異なり、新しいものを創造するのが造形魔術なのである。
「お、今度はリスか。これは叔母上が喜びそうだな。」
 そう言うや、ルーファスはその人形をヴィルベルトから受け取り、それを光へと翳して言った。
「光を構成せし七つの色よ、我が手に集え!」
 ルーファスがそう言った刹那、その土人形に鮮やかな色彩が施され、まるで今にも動き回りそうに感じるものになった。まぁ、実物の四分の一程度の大きさではあるが。
「いいなぁ。僕、まだ色彩魔術は全然ですから…。」
「こりゃ光の魔術の一つだかんな。お前、まだ光を出せねぇだろうが。」
「はい…まだ力を制御出来ないです…。」
「精神力が足んねぇんだよ。ま、旅してりゃその内に上達すっさ。」
 二人の会話を聞いて、ウイツは唖然としていた。
 ルーファスは大陸第二位の魔術師で魔導師の称号も与えられており、その弟子もまた弱冠十六歳で造形魔術さえ使いこなせる。
 二人とも異例なのだ。その様な二人だからこそ、ウイツはいつかこの二人が大きな事を成すのではないかと思った。いや…確信したと言うべきか。
「全く…お前達は可笑しな奴らだ。」
 ウイツは何か諦めた様な口振りでそう言った。
 それはまるで…自分が置いて行かれることを分かった者の様で、どこかしら寂しげに見えた。
「どうした、ウイツ。腹でも痛いのか?」
「あのなぁ…。」
 ウイツがそう言った時、遠くから馬の駆ける音がしたため、三人は耳を澄ました。
 ルーファスらはそれが何者か確かめるべく林から道の端へと出ると、音の方へと目を細めた。
「やっと来た様だな…って、あれ?」
 そう言ったきり、ルーファスは固まったままになってしまった。
「師匠?どうしたんですか?」
 ヴィルベルトは不思議そうに師へと問ったが、ルーファスは顔色を悪くして冷や汗をかいて遠くを見詰めていたため、ヴィルベルトも未だ遠くにあるそれを見詰めた。
 ウイツも二人と同様に近づく者達を見ていたが、彼にはルーファスがなぜ体を強張らせしまったのか直ぐに理解出来た。
「ルー
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