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魔術師ルー&ヴィー
第一章
XU
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こうも毎日同じことしてりゃ飽きるってもんだろ?ヴィーには四元素の第三位の魔術まで教えてあるし、後はその応用みてぇなもんだかんな。今はまだ、それ以上のは教えらんねぇしよ。。」
 ルーファスは何とはなしにそう言うと、ウイツは眉をピクリと動かして返した。
「おい…あの歳で四元素魔術第三位までを会得したのか?」
「ん?ウイツ…俺は十四の時には四元素魔術は第一位まで会得してたぜ?ヴィーが第三位までを会得できねぇ筈ねぇだろ?」
 ルーファスにそうあっさりと言われ、ウイツは呆気にとられてしまったのであった。
 四元素魔術とは、言わずと知れた火・水・土・風の力を使用する魔術である。第一位から第七位まで別れ、本来は二十歳前後に第三位を会得出来るのが通例であった。世間が思うほど容易い魔術とは言い難いのである。
 確かに、この魔術の呪文を覚えるのはそう難しくはないのであるが、それを自らの精神で完全に操るとなれば話は別で、相当の精神力がなくば自らをも傷付ける。故に、小さな魔術を積み重ねつつ精神力を養い、階級を上げて行くのである。それはどの魔術でも同じであるが、四元素魔術はその階級の多さで難さが際立つ魔術と言えた。
「ルー…ヴィルベルト君を弟子にしてどれ位になる?」
「そうだなぁ…三年位か?」
「それで…第三位まで教えたのか?」
「そうだ。ま、そんための旅でもあったしな。光系統の魔術は苦手みてぇだけどよ、他の中級魔術は相性が良かったみてぇだし、別に問題ねぇよ。」
「お前って奴は…、」
 ウイツ呆れて大きな溜め息を吐き、寝転がるルーファスの隣に座った。
 ルーファスの話からすれば、旅そのものを弟子であるヴィルベルトの精神の鍛練にしていたのである。ルーファスからしたら旅は趣味であり、そこへ実益を加えただけに過ぎないのであった。
 ヴィルベルトにとって旅は大変有益であった様で、その力を確実に伸ばしていることはウイツも認めざるを得なかった。
「師匠、こんなの造ってみました。」
 話している二人の前に、ふとヴィルベルトが何かを手にやってきた。二人がそれを見ると、それは手のひらサイズの土人形であった。
 ルーファスは起き上がってウイツと共にそれを見ると、それは精巧に造られた猫であり、その毛並みさえ感じとれそうなものであった。
「お、良く出来てんじゃねぇか。これなら売れっぞ?」
 ルーファスはそれを手に取って弟子の作品にご満悦の様であったが、隣に座るウイツは驚いた表情で固まってしまっていた。
「ウイツ?お前、何やってんだ?」
「いや…。ルー、お前…造形魔術まで教えたのか?」
「少し前にな。こいつは意外と便利だかんなぁ。」
 あっけらかんと答えたルーファスに、ウイツは手を額につけて言った。
「そういう問題ではなく、造形魔術は魔術師の試験課題の一つで、こ
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