暁 〜小説投稿サイト〜
大淀パソコンスクール
様子がおかしい

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と持ち上げた。

「生徒さんは多かったですけど、大丈夫でしたよ。ソラールさんの知人の方が助っ人に来てくれまして」

 ほう……変態太陽戦士ソラール先輩の、知人とな?

「どんな方だったんですか?」
「ええ。ロー……お名前、なんでしたっけソラールさん?」
「女神の騎士ロートレク。偶然白サインを見つけたので召喚した」

 白サインというものが何なのか気になるが……それよりも、なんかもうその通り名だけで分かる。その人が、いかにめんどくさい人なのかが。そらぁソラール先輩の知人つーからには、一筋縄ではいかないと思っていたけれど……。

「そうそう、ロートレクさん。その方に岸田さんの相手をしてもらったんですが、岸田さんが萎縮しきってましたね」
「最初は岸田殿もカシワギと同じように接していたのだが、あの男にそういうのは通用せんからな」

 その後、大淀さんとソラール先輩が代わる代わる教えてくれたのだが……件のロートレクさんという人は、相当厳しい先生だったらしい。岸田さんは、最初俺に接する時と同じ話し方でロートレクさんに文句を言っていたのだが……

『えー……先生変わるの? そんなに頻繁に担当者変わっていいの?』
『ほう』
『そもそもあんた、大丈夫なの?』
『貴公、もはや人間性が限界と見える』
『へ?』
『哀れだよ。まるで炎に向かう蛾のようだ』

 というよく分からないやりとりの後、手元確認禁止、ミス一回につき100文字追加、一分あたりの打鍵数低下が確認される度に100文字追加の、地獄のタイピングブートキャンプをずっと行っていたそうだ。タイピングを行う手元には、ロートレクさんお手製のダンボールの覆いが設置され、手元が絶対に見えない状態で二時間もの間、岸田さんは半べそでひたすらタイピングを行っていたらしい。

「そうだ。岸田殿を担当しているカシワギに、ロートレクから伝言がある」
「へ? 俺にですか?」
「ああ」

――貴公はぬるすぎる ヤツの人間性を限界までむしり取れ

「だそうだ」

 だから人間性って何だよっ!? 今Y字ポーズで気持ちよく上に伸びてるソラール先輩もこの前言ってたけどっ!!

「でも、一度お礼を言いたいです。俺に貴重なアドバイスもくれたし」
「そうですね。ソラールさん、近いうちにまた、ロートレクさんをお呼びしてください」

 とはいえ俺のヘルプをしてくれたのだから、お礼を言うのは当然だ。それに、その言葉ぶりから見ると、ロートレクさんは相当なインストラクター……もっといえば、熟練のエンジニアの雰囲気が漂う。同じエンジニアとして、一度話をしてみたいと思ったのだが……

「残念だが、今回はたまたまロートレクの白サインが見えた故、召喚出来たのだ。次はいつ会えるか、俺にも分からん」

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