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夢幻水滸伝
第九話 関ヶ原の戦いその十一

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「雅ちゃんも出来る娘やけどな」
「自分はそれ以上やっちゅうねんな」
「頭にも自信はある」
 芥川は腕を組んでにやりと笑って言った。
「僕に頭で対抗出来るのは二人だけやろな」
「誰と誰や」
「シンガポールのリー=シュンスイとオーストラリアのシェリル=グレアムだけや」
「その二人まさか」
「そや、四智星の連中や」
 芥川と同じく、というのだ。
「リーは軍略と仙術、政治に優れていてシェリルは召喚術の天才や」
「その二人は自分より知力上か」
「この連中は」
「そうなんやな」
「この連中には負けるけどや」
「それでもやな」
「雅ちゃんには勝てるで」
 芥川はにやりと笑って言い切った。
「この戦でもか」
「それで飯のこともやな」
「見抜いたんや」
 そうだったというのだ。
「しっかりとな」
「そういうことやな」
「昼に一切仕掛けてきいひんでこれ以上はないまでに守りを固めたんが失敗やった」
 雅、彼女のというのだ。
「それなら察するわ」
「夜に仕掛けて来るってやな」
「そや、しかも兵の数で劣るけど神星が揃ってる僕等に確実に勝つには」
「兵を攻める、やな」
「そや、この世界の戦はや」
 どういったものかとだ、芥川は中里にこのことについてあらためて話した。
「星と兵でやるものや」
「その二つでやな」
「そや、だからや」
「東海はここは兵を攻めて来るか」
「僕等が健在でも兵がおらんとどうしようもないやろ」
「三人で戦に勝てとか無理やしな」
「向こうにも星がおったらな」
 その場合はというのだ。
「結局同じや」
「三人だけで兵をやっつけても」
「敵もそれがわかっててや」
「兵を攻めて来るか」
「兵隊がおらん様になったら僕等も戦に負けや」
「その後岐阜城攻めたり出来んな」
「ああ、城攻めも戦が必要や」
 それ故にというのだ。
「そやから向こうは今は兵を攻めるつもりや」
「それで勝つつもりやな」
「そういうこっちゃ、わかったな」
「よくな」
「ほなええな」 
 強い声でだ、芥川は中里に言った。
「ここは裏をかく」
「相手のそれを」
「ああ、騙されたふりをして乗ってやってや」
「反撃を加えるんやな」
「そういうことで頼むで」
「夜にやな」
「反撃で勝負決めるわ」
 向こうが決めるつもりだがそれを逆にというのだ。
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