暁 〜小説投稿サイト〜
とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第83話 待つ
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喫茶店に入り浸り頼まれた子守をしていた暗部組織『アイテム』兼、暁派閥戦闘部隊(自称)の麦野達が包まれていた砂鉄から這い上がるように手を出して脱出していた。
「ヘクチッ!ケホケホ」
「砂ー!超圧倒的砂です」
「ったく!お気に入りの靴の中まで入りやがって!」
「暖かくない砂はただの砂......」

麦野が靴を脱いで逆さまに持つとすっかり入り込んでいた砂鉄を掻き出した。
「うぇぇー、口の中ザラザラ」
フレンダが下を出しながら遠心力で付着した黒い粒を吐きだしていくがそう簡単には取れず、乾燥していく舌に耐え切れずに中に戻すが不快感満点の砂が彼女の歯の裏側にこびり付いて気持ち悪くなる。
「口濯ぎたいわけ......よ?」

フレンダの視界の端に何か木の棒みたいなものが砂の表面から露出しているのを捉えた。
「??」
フレンダは少しだけチョンと触るとビリッと静電気が流れた。
「!?」
その瞬間からアクセルを蒸すかのように蒼い電流が砂鉄へと断続的に流れて、砂鉄に触れている部分に痛みが走る。
「ま、まさか......フウエイちゃんが?」
「ちょっとタンマ!」
とこの後の惨劇を予想できたのか麦野達が山盛りとなった砂鉄から逃げようともがくが通常よりも細かい粒子で構成されている砂鉄の上では硬いアスファルトよりも重心の傾き具合が大きく、前に進む為の力が踏みしめた砂鉄により相殺されてその場転んでしまった。

「ペッペ......ま、またぁー」
涙目になるフレンダだが、真後ろではいよいよ振動して崩れた箇所から子供の人形の脚部が出現してバタバタとデタラメに動き回っている。
動くたびに青白い光が強くなっているのは気のせいではないだろうか?

「えっ......!?」
一気に大電流が放出されて逃げ場のない麦野達はまともに電流を受けて、身体が強張ったかのようにカクカクと動いてもがき苦しみ出した。
「ぎぃいいいいいー!あだだー」
「あんぎゃあああーー!」
「うぐぐー!ストップストップよ!」
「......っ!?」

一通りの電撃を食らったメンバーは奇妙な痙攣プラス黒焦げ状態になりながら電撃源を探して発掘作業をしていた。
ムスッとした表情の麦野が出てきたイタズラ少女の外套の背部を掴んで持ち上げている。
「キャハハハッ!ブランブラン」
「......あれのお陰で全部ふっとんだわ」
フウエイは脱力して麦野の前後に揺さぶる動作をブランコのように楽しんでいた。

「超災難でした......とりあえず皆さん無事ですね?」
絹旗の肩をポンと叩く手がきて、首だけを後ろに向けると。
「.......」
なぜか滝壺がアフロ髮で親指を立ててなんとも誇らしげに目を輝かせとポーズを決めている。
「電気でアフロになるって超古くないですか....
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