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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
第17話『黒獅子と黒竜〜飽くなき輪廻の果てに』
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竜技(ヴェーダ)――竜具を用いた戦姫の奥義。固有概念の名称をもつ人の『知識(ヴェーダ)』と、自然災害の化身たる竜の名もなき純然な『力』を掛け合わせた『竜の技』である。
対して竜具(ヴィラルト)――もともとは、『風』を巻き起こしたり、『焔』を巻き上げたりするだけの、ちっぽけな『曲芸』に過ぎなかったものが、やがて『人』と『魔』の抗争において中枢を占めるようになったことは、果たしていつからになるだろうか?
人はイレインバーを基礎とする知覚器官による他の生命体にない広大な『知性』と、両手を構成する繊細な指を有することで高い『技術』を持っている。『知識』という究極にして汎用な『力』こそが、数多の『戦争』を制すると信じていた。
投石器(カタパルト)』を超える破壊力――
防護壁(バリア)』を砕く突破力――
なにより、『竜』を上回る生存能力がなくては、人が魔に対抗する『兵器』になりえない。
竜具誕生の経緯――
何百年か前、『魔』が『人』に勝利の『王』手をかけたことがあった。それまで主戦力であった人の『戦士』を圧倒し、物量で明らかに勝っていたはずの『人のティル=ナ=ファ』と、『魔のティル=ナ=ファ』間の戦闘において、目覚ましい働きを見せ、『魔』が戦局を覆すに至ったのである。
その時、一人の巫女が『人』に助けを求めた。文明の知識を持ちながらも、『人』は『黒竜』から『力』を得るために――『巫女』は『星』に祈りをささげたのである。

――そして、黒竜ジルニトラは与えた。自らの力を欠けて流した『七つの流星』を――

一つは魔を降す銀閃―『アリファール』を。

一つは邪を破る凍漣―『ラヴィアス』を。

一つは魔を退ける光華―『ザート』を。

一つは鬼を討つ煌炎―『バルグレン』を。

一つは禍を砕く雷禍―『ヴァリツカイフ』を。

一つは妖を封ずる虚影―『エザンディス』を。

一つは呪を崩す羅轟―『ムマ』を。

それぞれ『やがてこう呼ばれる』星の丘に落としたと伝えられている。
ライトメリッツ――オルミュッツ――ポリーシャ――レグニーツァ――ルヴーシュ――オステローデ――ブレスト――
後に、七つの『丘』を統合した、ジスタートと呼ばれる『丘陵』を放浪の末、黒竜より遣わされた『人』が竜の至宝――『竜具(ヴィラルト)』を手にしたのである。
だが、戦姫に譲渡した『竜具』に対し、『人』たる黒竜の化身の誤算があった。
それは、長きにわたる『人』と『魔』の抗争において、一時の終止符が打たれた直後――
『人』が『魔』を払うのために誕生したこの超常の武具が、人間同士の戦争において、高い戦況効果を与えたことである。
大軍と大軍の衝突する大規模戦争において、『損耗率』の操作を可能にする戦姫の存在は、少数民族から成り立った、ジスタートである彼らにと
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