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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十八話 これが両雄の初対決になるでしょうか。(その2)
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一方――。

第十三艦隊はワーレン艦隊、そしてミッターマイヤー艦隊を正面に相手取って戦っている。二個艦隊を相手取るのは至難の業と言っていいが、ファーレンハイト、シュタインメッツ両提督を両翼として第十三艦隊は鉄壁の陣形を敷いてこれにあたった。
「主砲斉射!」
「敵の先頭集団Bに砲火を叩きこめ!」
「ミサイル艦隊、α025地点に砲火を集中!」
「D集団、隊列が乱れている!後退して整理しなさい!F集団、代わって前面に進出せよ!!」
ウィトゲンシュティン中将が全身から声を発し、矢継ぎ早に指示を下す。その姿は戦乙女ワルキューレを彷彿とさせていた。
「閣下。」
艦長がウィトゲンシュティン中将を見た。
「敵の砲火が本艦周辺に集中しております。これ以上留まれば本艦に砲撃が及ぶ可能性もあり、後退を御許可くださいますよう。」
「・・・・・・・・。」
ウィトゲンシュティン中将はすぐには答えず、宙域ディスプレイを見た。光点が激しく明滅し、ビームやミサイルが飛び交う前方はまさに阿修羅の暴れる空間と化していた。
「前進よ。」
「は!?」
皆が一斉にウィトゲンシュティン中将を見た。今下した指示が彼女の口から出たかどうか誰しもが自分の耳に疑いを持っていたのである。
「各艦隊連携を取って前進を開始。敵の一隊が後退しているわ。あの後退に合わせて突き進めば、混戦状態になって敵がこちらを狙いにくくなる。戦力で劣る私たちが活路を見出すには敵を引っ掻き回すしかないわ。」
危険な賭けだった。艦隊を敵中のただなかに、しかも数倍の敵の真っただ中に前進させるという離れ業を行って成功したのは「チーズをナイフで切るように」という名言をもって表現された、かのブルース・アッシュビーくらいのものである。だが戦機は待ってくれなかった。ウィトゲンシュティン中将は自らを奮い立たせるようにはっきりした声で指示を下した。
「全艦隊、前進!!」
第十三艦隊は死兵と化した。死に物狂いの各分艦隊は敵の砲火をかいくぐりながら猛速度で突っ込んでいったのである。これにはワーレン、ミッターマイヤーの両艦隊の将兵は驚きを隠せなかった。奴ら狂ったか!?それとも追い詰められて自暴自棄になったか!?いや、単に何も考えていないだけでは?などという言葉の切れ端が艦隊のあらゆる部署で飛び交った。
「この砲火の中を突撃してくるとは!!」
ワーレンは唸ったが、すぐに艦隊に迎撃態勢を取らせた。
「慌てるなよ。敵は窮鼠と化したが、すぐに勢いは止まる。こちらは落ち着きをもって敵の先頭集団を先頭から潰していけばいいのだからな。」
ワーレン艦隊の左右両翼は後退する中央前衛を支援するように前進して敵を包囲殲滅しようとしていた。ウィトゲンシュティン艦隊は中央を追って吸い寄せられるようにしてワーレン艦隊の懐に飛び込んでいく。的確な
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