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ONEPIECE 空の王者が海を征す
空の王者、砂漠の国を後にする
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は防ぎきれない!」

左側の防御を担当するレウスとサンジだが流石の二人でも複数の軍艦からの槍を全て防ぐには無理があり数本は防御し切れずに船に当たっている。右の守りは共に船に乗っているボン・クレーに加えルフィとゾロが行っているので全て防御出来ているのが大きい、既にメリー号は槍の攻撃で浸水し始めている。防御が出来ているのといないのでは大違い。

「なんとか穴は塞いだよ!でもまたやられたら開いちまうよ!!」
「ああもうなんとかしないと……」
「陣形の一つでも崩ればそこから突破出来るのになぁ……!!」

じりじりとこちらが一方的にやられているこの現状にナミは思わず舌打ちをしてしまう。打破したいがそれには軍艦をなんとかしなければならない、先程のように槍投げをしてもらうにもそれをさせないようなテンポで打ってくる軍艦。レウスに軍艦を沈めてもらおうにも離れれば船は一気に沈んでしまう危険性まである、正に手詰まりな状況。砲撃音が響く、再び皆が構えるがそれはメリー号の後部甲板からだった、それは手詰まりな状況を打ち破るかのように南の軍艦へと直撃する、そして崩れたマストや船体は隣のもう一隻の軍艦へと寄り掛かりそのまま一気に沈めた。

「ウソップ今のお前か!?すげえな!!」
「……っ。よ、よぉぉぉし俺様の計算通り!俺に掛かればああだぜ!!」
「鼻ちゃんやるわねぇ!!あのまま一気に南を突破するわよぉ!!」

ジリ貧だったところに齎された千載一遇のチャンスにボン・クレーは飛び上がるほどの喜びを示しながら南へと行こうと宣言した時ボン・クレーの船の見張り台にいた男が大声を張り上げ報告する声を上げた。新たに迫っている軍艦を確認した所、この辺りの海を縄張りとしている海軍本部大佐、黒檻のヒナが迫っていると言う。

「何やってんのアンタ達ぃ逃ぃぃげるのよぉう!!あのまま南に行けば被害を最小限して突破出来るのよ!?なんで船を動かさないの!?」
「行けねぇよ、訳があるんだ」
「訳って何よ?!命を掛けるほどの財宝でも待っているっていうの?!」
「仲間を、迎えに行くんだ」

このまま自分達だけでも逃げるという雰囲気だったボン・クレーはルフィの言葉を聞いて全身に電流が走った。なんと言った?仲間(ダチ)を、迎えに行く……?仲間の、友達の為に自分達の命までも危ないというのにそれでも進むという覚悟を持って麦わらの一味にボン・クレーは愕然としながら感動した。誰一人として逃げ出そうとしていない、あの臆病なウソップですら逃げようと言っていない。その心意気に打たれたボン・クレーは早く行きましょうと急かす部下達に向かって大声で叫んだ。

「此処で逃げるは、ボン・クレーに有らず。命を賭けてダチを迎えに、そのまたダチを見捨てておめぇ、明日食う飯が旨ぇかよぉ!!」
『はっっっっ!!!
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