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夢幻水滸伝
第七話 夜襲の後でその十二

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「あいつに先に行かせて連中の帰るところなくさせたんやけどな」
「その砦がですか」
「ここに来る時に見たら完膚なきまでにや」
「壊されてましたか」
「当然そこにおった連中も皆殺しや」
 中里はそこで見たものを思い出しつつ弥生に話した、竜巻と地震によって徹底的に壊された様にしか見えない砦もその内外で転がっている屍達も。
「一人残らず真っ二つとかやった」
「そうですか」
「戦場でも大暴れやったしな」
「戦の時はですか」
「ほんまに強かったわ」 
 そうだったというのだ。
「鬼みたいにな」
「中里さんと同じ位ですか」
「それ位やったな」
「神星の人と同じ位って」
「戦闘特化みたいや」
「そうした人かいな」
「実際戦が大好きやって言うてたわ」
 中里は難波のこのことも話した。
「それで派手に戦いたくてや」
「ロシアの方行くんかいな」
「噂の氷帝のとこにな」
「あの人なあ」
 ロシアの氷帝と聞いてだ、弥生は微妙な顔になって言った。
「めっちゃ怖いらしいな」
「そうらしいな」
「インドの雷帝と一緒にな」
「どっちも三極星やろ?」
「うちの綾乃さんと一緒でな」
「神星の中でも一番強くて偉いんやろ?」
 中里はこのことも問うた。
「確か」
「そやで」
「けれどそのうちの二つは怖いんか」
「めっちゃな」
 ただ怖いだけではないというのだ。
「噂に聞く限りやとな」
「何でも普通に生き埋めとかするらしいな」
「それで出て来た魂を自分の術で消し飛ばすんや」
「一気にそうするんか」
「氷帝はな、女帝とも言われてるけど」
「そうか」
「雷帝も同じ様なことして自分の敵には容赦ないらしいわ」
 こちらの人物もというのだ。
「とにかく二人共あまり一緒にいたくないわ」
「怖過ぎてやな」
「政も戦もええらしいけど」
「それでもやな」
「うちには綾乃さんが一番や」
 彼女がというのだ。
「優しいし穏やかやしな」
「まあそんな怖いことはせんな」
「何十万も生き埋めにしたり街一つ消し飛ばしたりな」
「大虐殺か」
「ロシアやインドではそれが普通らしいわ」 
 この世界のそうした国々ではというのだ。
「こっちの世界ではマラッカ海峡から西、インドとかロシアとかアラブの辺りは修羅の世界とも言われてるわ」
「過酷やねんな」
「そこで勢力拡大してるのがその人等やねん」
 ロシアの氷帝、インドの雷帝だというのだ。
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