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夢幻水滸伝
第七話 夜襲の後でその一

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                 第七話  夜襲の後で
 中里は自軍に早い夕食を摂らせた、まだ夕暮れ時であったが全将兵達にそうさせた。
 彼自身握り飯を頬張りつつだ、率いる将兵達に言った。
「せいらい食うんや」
「腹が減ってはですし」
「今からですな」
「そや、それでや」
 中里は将兵達にさらに言った。
「ええな」
「はい、撒き餌もですな」
「そっちもですな」
「やっとくんや」
 こうも言うのだった。
「ええな」
「そうしてですな」
「相手を余計にですな」
「惑わす、そしてや」
「勝つ」
「それも圧勝しますか」
「むしろ圧勝せなや」
 それこそという口調でだ、中里は周りの将兵達に答えた。
「これからもっと強い奴等と戦うんやろ」
「はい、今回の敵は数だけです」
「数以外は何もないです」
「けど山陽とか四国の勢力もです」
「北陸もそうですけど特に東海です」
「あそこは強いです」
「かなりしっかりした勢力です」 
 将兵達も言う。
「そうした連中ですから」
「今やり合ってる連中は正直弱い相手です」
「大将の言う通り圧勝してこそです」
「これからたっていけると思います」
「そやろ、だからや」
 それ故にとだ、中里も言った。
「圧勝したるで」
「わかりました、ほな」
「ここから戦いましょう」
「そして圧勝して」
「そして社までですか」
「行くで」
 弥生が待っているそこまでとだ、こう話してだった。
 そのうえでだ、彼は将兵達に食事をそれもたらふくて食べさせてだ。そのうえでだった。
 夜に向けて動かさせた、これまで進んでいた海岸沿いの公道から離れてだ。
 彼等から見て左手、向かい側は山陽になっているその山の方に入った。そのうえでだった。
 敵を待った、するとだった。彼等は夜もひたすら進んできていた、中里は鵺に乗って夜空の闇からその動きを見つつ言った。
「こっちの策には気付いてないな」
「ああ、全くな」
 鵺も応えた。
「気付いてないわ」
「それやったらや」
「予定通りやな」
「やるで」
 確かな声でだ、中里は言った。
「今からな」
「それで難波の旦那はどうや」
 鵺は彼のことを聞いてきた。
「どんな感じや」
「ああ、ちょっと待ってくれや」
 中里は貝殻を出してだ、そうしてだった。
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