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風魔の小次郎 風魔血風録
7部分:第一話 小次郎出陣その七
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第一話 小次郎出陣その七

 そのうえで。夜叉姫に対して一礼してから述べた。
「御呼びでしょうか」
「次の女子サッカーの白凰学園との試合」
 夜叉姫はまずはそのことを告げた。
「貴方と武蔵に対して出陣を命じます」
「わかりました。それでは」
「その剣で風魔の忍を倒すのです」
「御言葉通りに。武蔵」
 壬生は夜叉姫に応えた後で武蔵に顔を向けた。そうして穏やかな気品のある、武士を思わせる笑みを浮かべて武蔵に対して言うのだった。
「心配することはない」
「無用だというのか」
「そうだ。確かに風魔の強さは俺も知っている」
 油断はしていない、それは口だけではないことは武蔵もわかる。壬生がそれ程愚かな男ではないことを武蔵もよく知っているからだ。
「だが。一人ではないか」
「一人か」
「そうだ。相手が一人なら八将軍を出すことはない。俺で充分だ」
「確かにな」
 武蔵もそれには頷く。
「しかしだ。他の風魔が動けばどうする?」
「御前もいる」
 今度は武蔵自身を見て笑うのだった。
「そうは簡単にやられはしない」
「武蔵」
 また夜叉姫が武蔵に声をかけてきた。
「攻介は夜叉随一の剣の使い手」
 同時に彼女の腹違いの弟でもある。実力でも家柄でも夜叉随一というわけなのだ。
「それと貴方で。この夜叉本陣は万全な筈です」
「ですが」
「ですがもこうしたもありません」
 これ以上武蔵には言わせようとしなかった。
「若し風魔最強の忍である九忍が出たならば話は別ですが」
「あの九人がですか」
「そうです。聞くところによると彼等はそれぞれ各地に散っています」
 その情報も夜叉姫のところに伝わっているのだった。夜叉もまた優れた情報網を持っているのだった。伊達に忍ではないということだった。
「彼等が集まるというのなら。私も決断をします」
「左様ですか」
「まずはです」
 話を打ち切り。そのうえでまた二人に声をかけるのだった。
「次の女子サッカーの試合。出陣するように」
「はい」
「わかりました」
 武蔵と壬生はそれぞれ夜叉姫に対して一礼した。何はともあれ彼等の出撃が決定したのだった。
 その女子サッカーの試合の日。小次郎は試合が行われるグラウンドにおいて一人はしゃいでいた。
「いやあ、いいよなあ」
「何がいいんだ?」
 隣にいる蘭子が彼に突っ込みを入れる。
「だってよ。姫ちゃんも出るんだろ」
「姫子様と呼べと言っているだろう」
「だからいいじゃねえかよ」
 蘭子のその言葉にはあくまで反抗する。どうやら彼女とはソリが合わないらしい。
「呼び方なんかよ」
「よくない。風魔の主家の方でもあるのだぞ」
「それはそうだけれどよ」
 それを出されると弱いがだからといって態度をあらためる小次郎では
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