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風魔の小次郎 風魔血風録
7部分:第一話 小次郎出陣その七
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ない。
「堅苦しいの苦手なんだよ、俺」
「それでも忍か?」
「忍だよ。とにかくな」
 小次郎は強引に話を終わらせてからまた蘭子に対して言う。
「この試合、姫ちゃんも出るんだよな」
「そうだ」
 今はもう言わなかった。しかし憮然とした顔で述べた。
「それがどうしたのだ?」
「いいよなあ、なでしこだぜ」
 女子サッカーがなでしこジャパンと呼ばれていることを知っているからこその言葉だった。
「姫ちゃんらしいっていうかな」
「何を言っている。用意もせずに」
「用意!?」
「そうだ」
 キョトンとした顔になった小次郎に対してまた告げてきた。
「御前も出るんだぞ。聞いていないのか」
「えっ、俺も出るの!?」 
 不意にこう言われて驚いた顔になる。
「そんなの何時決まったんだよ」
「前に言っただろう。聞いていなかったのか」
「いや、全然」
 そんなことは耳に入っていなかったのだ。実は白凰学園に来てから姫子ばかり見ていたのだ。彼女にメロメロになって他のものは見えていなかったのだ。
「初耳だけれどよ」
「呆れたな。最初の仕事だろうに」
「仕方ねえだろ。忘れていたんだからな」
「例え忘れていてもだ」
 それでも蘭子は小次郎に対して言う。
「出るんだ、いいな」
「それはわかったけどよ」
 出ることに関しては納得するのだった。しかし。
「けれどよ」
「何だ?」
「女子サッカーだよな」 
 彼が言うのはそこであった。思いきり不審げな顔を見せている。

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