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夢幻水滸伝
第五話 出雲へその八

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「御所で毎晩鳴いてて」
「災難やな」
「けど自分こっちやと神具やしな」
「そんなんせんで」
「そやな、とにかくその人それぞれか」
「種族で決まらんで」
「ならず者かて色々な種族おったしな」
 中里は彼等のことも思い出した。
「やっぱりその人それぞれで」
「努力でよおなるで」
「そのことわかったわ、ほな今の努力は」
「わかってるな」
「出雲の社まで行くで」
 右手の刀を前にやってだ、中里はあらためて全軍に命じた。そしてだった。
 一万二千の軍勢は迅速に西に西に進んでいた、その途中多くの小勢力が降ってきてならず者達も成敗していった。そしてそれが評判になり。
 多くの民達が彼等を笑顔で迎えた、中里はこの状況に満足していた。
 それでだ、夜の陣中で飯を食いつつ部将達に言った。
「ええ感じで進んでるな」
「はい、このままいけばですわ」
「思ったよりも速く出雲に行けます」
「そして社にもです」
「行けますわ」
「そやな、けれどやな」 
 中里は白い御飯を味噌汁と共に食べつつこうも言った。
「出雲の東にやな」
「はい、でかい勢力がありまして」
「頭は星の人やないですが」
「随分柄が悪くて数も多いです」
「その数二万です」
「その連中がおるな」
 中里も言った。
「やっぱり」
「その連中を何とかせんとです」
「山陰は治まりません」
「そして社にも辿り着けません」
「数は多いですし」
「この連中をどうするか」
「ちょっと斥候出してこか」
 中里はまずはこう言った。
「それでも夜に空から見てな」
「ほな天狗の奴出して」
「それで、ですか」
「夜目の利く奴おるか?」 
 中里は部将達に考える顔になって問うた。
「うちの軍勢に」
「空飛べて夜目が利く奴」
「そういう奴ですか」
「それが忍者やったら尚ええ」
 中里はさらに注文を付けた。
「余計にな」
「はい、います」
「丁度ええのが」
「鳥人で梟の奴がいます」
「それも忍の者です」
「よし、そいつに夜に上から見てもらってや」
 その勢力のというのだ。
「どんな状況か詳しく調べてな」
「それからですか」
「どうするかですか」
「その連中は戦好きか?」
 中里はこのことも尋ねた。
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