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夢幻水滸伝
第五話 出雲へその九

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「それで」
「はい、結構」
「何かあればあちこち攻めてます」
「村とか港も襲ってますし」
「社も狙ってる感じです」
「星の人は率いてませんけど」
「腕っ節が強いのが頭やってますし」
 部将達は食べつつもだ、中里に彼等のことをさらに話した。
「この頭も随分乱暴な奴で」
「力で手下を従えさせてます」
「ものは奪う、人は殺す、家は壊すで」
「ほんまにやりたい放題の奴ですわ」
「そうか、ほなその頭は殺してや」
 聞いていて外道と判断してだ、中里は断を下した。
「後の連中も降らんとな」
「殺しますか」
「そうしますか」
「奇襲かけてな、兵力はこっちの方が少ないし」
 このこともだ、中里は冷静に分析していた。
「降れ言うても従わんな」
「これまで何度か言ってますけど」
「全然聞きません」
「それで出雲の東で暴れ回ってます」
「それを続けてます」
「そうか、ほな僕等にも絶対に来るな」
 攻撃をして来る、そうだというのだ。
「間違いなくな、それやったらや」
「事前に調べてですか」
「そうしてですか」
「逆に攻めますか」
「そうしたりますか」
「奇襲仕掛ける、今から斥候出して調べてくで」
 その彼等をというのだ。
「そしてどうして攻めて潰すか考えよか」
「先に先に読んで動くか」
 中里の横で飯を食っていた鵺が言ってきた、食べているものは中里達と同じ御飯や味噌汁、焼き魚といったものだった。漬けものも食べている。
「そうするんやな」
「ああ、何か自然と考えられるわ」
「これが星の力の一つや」
「戦のことが考えられるか」
「そや、ほなな」
「このままやってくか」
 中里は鋭い目になって鵺に応えた。
「この世界で」
「ああ、ほなその連中には今は斥候を出して見ていって」
「このまま西に向かうで」
「そうしよか、降る奴は迎え入れていってや」
 そしてというのだった。
「降らん奴やどうしようもないゴロツキ共はや」
「成敗していって」
「社まで行くで」
 弥生が待っているそこにというのだ。
「そうすればかなり大きいしな」
「うちにとっては」
「もうそれで」
「山陰掌握して出雲から山陽の連中を牽制出来る」
 このこともあってというのだ。
「戦略的に大きいわ」
「はい、それです」
「軍師さんもそう言うてました」
「山陽の連中も強いですから」
「播磨からだけでなく出雲からも睨み利かして」
「それでやっていきたいって」
「そやな、山陰の勢力も組み入れていけてるしな」
 それも順調にだ。
「ほななな」
「このままですか」
「出雲まで行きますか」
「出雲の東の奴等も倒して」
「そうして」
「そうするわ、あと巨人おるんやろ」
 彼等のこともだ、中里は問うた。
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