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風魔の小次郎 風魔血風録
63部分:第六話 霧の中でその十
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第六話 霧の中でその十

 今度は匂いが消えた。闇鬼はその代わりに別の匂いを感じ取ったのだった。
「・・・・・・血か」
 血の匂いだった。これで霧風が何をしたのか察した。
「匂いまで消したか。完全に」
 それがわかった瞬間だった。彼の肌が何か感じた。
「・・・・・・危ない!」
 慌てて身体を右に逸らす。しかし一瞬遅れた。後ろからの霧風の突きを左肩に受けたのだった。剣が血塗られ肩を貫いていた。それにより今まで持っていた木刀が落ちた。
「ううっ、不覚」
「触覚は左程ではなかったようだな」
 ここで気配が出た。霧風は匂いまで消したうえで闇鬼の後ろに回り込んでいたのだった。そのうえでの突きであったのだ。
「他の感覚に比べてな」
「抜かった。心眼陣にも弱点があったか」
「しかし。それでも私の突きをかわすとはな」
 霧風が再び身構えた。既に闇鬼は木刀を自分の力で引き抜き間合いを離していた。重傷を負っているとは思えない動きであった。
「流石だな、夜叉よ」
「戯言を。私の負けだ」
 闇鬼は左肩を押さえながら霧風に対して言った。前に倒れそうになっているが何とか踏ん張っている。
「だが。あの血の匂いは何だ」
「血の匂いか」
「そうだ。何故それが出た」
 目が見えない為今の霧が見えないのだった。
「それで貴様の匂いを感じなくなったが」
「私の血を流したのだ」
「御前の血を!?」
「そうだ。霧幻陣にな。今この霧は紅くなっている」
 霧風は言う。確かに辺りは紅く染まっている。それと共に彼の右腕からは血が滴り落ちている。
「目が見えない御前にはわからないだろうがな」
「まさか己に傷をつけてでも勝利を掴もうとするとはな」
「それが忍だ」
 霧風の声は厳然たるものだった。
「だからこそだ」
「そうか。そうだな」
「わかったな。だがこちらも傷のせいかこれ以上は攻められん」
 霧風は構えただけだった。しかし右腕は動いてはいない。
「命拾いしたな、夜叉よ」
「次に会う時はこうはいかん」
 闇鬼は肩を押さえたまま霧風に告げた。
「その時にまた会おう。いいな」
「わかった。ではその時を楽しみにしている」
「うむ。それではな」
 闇鬼は周囲に闇を出しその中に消えた。霧風は懐から包帯を取り出すとそれを右手の甲に巻いていく。手当てと共に霧は白さを取り戻しやがて消えた。今回もまた風魔の勝利となったのだった。
 シンクロナイズドも同じだった。白凰の勝利に終わり学ランに着替えた小次郎が笑っていた。
「いやあ、何はともあれ勝って何より」
「そうですね」
 姫子が小次郎のその言葉に笑顔でいる。
「これも小次郎さんと風魔の皆さんのおかげです」
「いやあ、それ程でもありますよ」
「だからそこで調子に乗るな」
 丁度こ
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