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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
会談終了
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汗握る思いで話の行方を見守った。

やがて__ユージーンは軽く頷くと、言った。

「そうか」

軽い笑みを浮かべ、

「……そういうことにしておこう」

次いでネザーに向き直り、言う。

「確かに、現状でインプ、スプリガン、ウンディーネと事を構えるつもりは俺にも領主にもない。この場は引こう。__だが貴様とはいずれもう一度戦うぞ」

「……その言葉、忘れないようにしておこう」

ネザーの差し出した右拳に、ゴツンと己の拳を打ち付けると、ユージーンは身を翻した。翅を広げ、地を蹴る。

それに続いて飛び立とうとしたカゲムネは、一瞬リーファの顔を見ると、ニッと笑いながら不器用に右眼を瞑った。借りは返した__とでも言ったつもりだろうか。リーファも右頬に微かな笑みを浮かべる。

翅を鳴らして2人が飛び去ると、リーファは胸の奥に溜めていた息を大きく吐き出した。

地上に残された者達が見守る中、サラマンダーの大軍勢は一糸(いっし)乱れぬ動作で隊列を組み直すと、ユージーンを先頭に鈍い翅音の重奏(じゅうそう)を響かせながらたちまち遠ざかっていった。無数の黒い影はすぐに雲に飲み込まれ、薄れ、やがて完全に消え去った。

再び訪れた静けさの中、ネザーが呟いた。

「……荒くれなサラマンダーにも、話の通じる奴がいるんだな」

「無茶苦茶なことをしでかしたものだな」

「お前にだけは言われたくない」

どことなく楽しそなやり取りをするネザーとキリトに、サクヤが咳払いを1つしてから声をかけた。

「すまんが……状況を説明してもらえると助かる」





静けさを取り戻した会談場の中央で、一部は憶測なんだけど、と断ってからリーファは事の成り行きを説明した。サクヤ、アリシャ・ルーを始めとする両種族の幹部達は鎧の音1つ立てず長い話に聞き入っていたが、リーファが説明を終えて口を閉じると、揃って深いため息を漏らした。

「……なるほどな」

両腕を組み、艶麗(えんれい)な眉のアーチを小さく(ひそ)めながら、サクヤが頷いた。

「ここ何ヶ月か、シグルドの態度に苛立ちめいたものが潜んでいるのは私も感じていた。だが、独裁者と見られるのを恐れ合議制に拘るあまり、彼を要職に置き続けてしまった……」

「サクヤちゃんは人気者だからねー、辛いところだヨねー」

サクヤ以上の単独長期政権を維持しているアリシャ・ルーが自分のことを棚に上げて深々と頷く。

「苛立ち……何に対して……?」

未だシグルドの心理が理解できないリーファが訊ねると、サクヤは視線を遠い稜線(りょうせん)に向けながら答えた。

「多分……彼には許せなかったのだろうな。勢力的にサラマンダーの後塵(こうじん)を拝しているこの状況が」


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